08/08/13 18:30:00
「どうでしたか、何かわかりましたか?」
「ああっ…え~と女の子どこに行きました?」
「えっ、何の事ですか?」
「私が出てくる前に5歳くらいの女の子出て来たはずなんですけど?」
「いえ…第一ここは調査のため閉館してましたから、探偵さん達以外は入ってなかったはずですが?」
「それじゃあ…あの女の子は…まさか幽れ…」
そこにやっと追いついた助手が現れた。
「はぁ、やっと追いついた、って所長どうしたんです?」
「助手…あの女の子消えちゃった…」
そう言うとツンはそのまま気を失った。
慌ててツンを抱きかかえる助手、ふと視線を感じて顔を上げた。
夏の日差しのその中にある薄暗い木陰の下、先ほどの少女とその母親と思われる女性がそこにいた。
うれしそうに手を振る少女の隣で母親は深々と頭を下げる。
助手は思わず目をこすり、再びそこを見たが、もうそこには何も無かった。
「そうか…やっと会えたんだね」
助手は少しうれしそうに微笑んだ。