09/03/13 06:45:29
貧乏と言えば昔住んでたアパートが酷かった。
2DKの6畳一間でボロいアパートなんだが、ここがやたらとゴキブリの多いところだった。
まずこの家は食べ物や飲み物を5分以上放置出来ない。
アレは金の無かったオレが冷蔵庫にある出来合いの物で、チャーハンを作った時のことだ。
食いかけのチャーハンをテーブルに置いて、一度用を足しに席を立った。
そして再び席につき、さぁ食べようとチャーハンを見た時、不自然な物が目に飛び込んできた。
チャーハンにゴマのような物体がふりかかっている。
これはなんだとよく目を凝らして見ると…
それは、ゴマではなくチャバネゴキブリだった。
席を外してから戻るまで約5分。
ざっと20匹はいるだろうか。オレに畏怖する事もなくチャーハンを貪るチャバネゴキブリの大群。
あまりに数が多すぎて、ゴキブリ同士がむきゅむきゅとひしめき合う音がする。
突然の出来事に一瞬固まったが、オレはとっさにテーブルを手のひらでバンバン叩いた。
すると、ゴキブリの大群が蜘蛛の子を散らすように散っていった。
性懲りもなく、まだ図々しく貪り食っているアホがいたので、チャーハンごと殺虫剤で葬ってやった。
コイツも本望だろう。
すぐ隣のコーヒーカップに目をやると、飲みかけのコーヒーにゴキブリが飛び込んで溺死していた。
しかし、この家の悪夢はこれに止まらなかった。
オレが、ドリフ大爆笑を見ながらポテチをつまんでいた時のことだ。
ポテチの袋に手を入れると、明らかにポテチよりも柔らかい何かが手に当たった。
そしてその何かは、オレの手から逃れるように袋の中でガサガサと動き回った。
オレが袋を逆さまにしてポテチを全部出すと、ポテチの軽快な落下音に混じってボテッという鈍い音が聞こえた。
黒いポテチがそこにいた。ポテチはポテチをくわえていた。
よく見たらポテチはゴキブリだった。よくあることだ。
とはとても思えなかったオレは、手近のゴキジェットで黒いポテチを葬った。