08/09/23 00:22:55 wNFP9BOr0
緊張していた矢先のこと、突然、家電が鳴った。
「…もしもし」
「俺だ、B男だ」と答える声は聞き取りづらい囁き声。
「C子だよね、C子がそっちにいるんだね?」
返事がなかった、でもぶんぶんと頭を縦に振っている気配が伝わってきた。
恐らくマトモに声を出せる状況じゃないのだろう。
「C子…が……」
それだけ言って押し黙ってしまった。
相当震えているのか、合わぬ歯のカチカチいう音だけが聞こえてくる。
「ちょっと待ってて、私がどうにかする!」
なんでも、A子は自分の生霊というかオーラのようなものを自分の意識で
飛ばせるという。
C子のところに、生霊だけを送ったところ…いるではないか!
A子は、ドアに張り付いた半透明のC子らしきものを感じた。
生霊を飛ばすとA子はかなり体力を消費するらしいが、C子はB男への思いから、
無意識のうちにそれを飛ばしてしまっているらしい。
「C子は…C子は今どこにいるって言ってる? メッセ見てみて!」
C子は、逐一「私の行動メール」みたいなのをB男の携帯に送ってきていて、
着信拒否をされてからはmixiのメッセージに執拗にそれを送ってきている。
さすがにmixiまで拒否したりマイミクを切ると自殺しかねないため、
どうしようもなく彼はログインすることをやめることで被害を最小限に
しようとしていたらしい。
B男はPC子を震える体を引きずるようにして立ち上げ、メッセージを確認
しようとする。
送信してきた人の一覧が、未読のC子からのメールで埋め尽くされていた。
ぞっとする。