08/09/21 01:48:11 ME7C4SKB0
母親が実際に体験した話。
まだ母が5歳か6歳頃の子供の頃の話。
母が住んでいたのは広島県の山の中の村。
典型的な農家で、兄姉も上が3人、下が4人と7人兄姉。
学校は夏休みに入っていたが、両親や上の兄姉3人はいつものごとく
朝から田んぼ仕事。母は下の4人の弟妹の面倒を見るのが日課だったそうだ。
ある日、いつものように夕方になると両親や兄姉が家に帰ってきて、
普通に夕食を囲んでいたそうな。
そんな一家団欒の最中に、父親と親交のある役場の人が血相を変えて
玄関から飛び込んできた。父親が何事かと話をしようとすると、
「ここじゃ話せない」ってことで、庭に出て行って何事か話をしていた。
しばらくすると、今度は父親が血相を変えて家に入ってきた。
母親と兄姉3人は今すぐに村の公民館へすぐに行けと言う。
で、今夜は恐らく帰ってこれないから、
母は弟妹を寝かせるよう言いつけられたらしい。
何事か全く聞かされないまま、不審に思いつつともかく弟妹を寝かしつけ、
自分も床についた。
目が覚めたのは恐らく深夜の2時とか3時くらい。
尿意を覚え、仕方なく厠に行くことにした。
厠は一度玄関を出て、庭を通ってグルッと母屋を回り込んで裏手にあるので、
いつも夜一人で厠に行くのはそれは怖かったそうだ。
だが尿意には勝てず・・・結局玄関から庭へ出た。
灯りは玄関についてる裸電球一つとあとは月明かりだけ。薄暗い庭の中に出ると、
庭の真ん中で何か黒い塊が動いたのが見えた。と、同時に何とも言えない
吐き気を催すような臭いが周囲に立ちこめている。
玄関を出てすぐのところで、母は恐怖で身動きが取れなくなったらしい。
月明かりの中で、その黒い塊は時々ピクッピクッと震えるように動いていた。