08/09/07 02:57:49 SaPKDUSh0
>>356
あああ、これの長屋王の件については突っ込み入れてぇ。
これ普通なら吉備内親王との間の子供でも殺されないんだよ。
この当時だと資格が無いんだ。長屋王の父親の武市皇子は天武天皇の息子の中だと血筋は良くないし、武市皇子は臣下としては出世できるけど、天皇になるのは到底無理なのね。
吉備内親王はサラブレッドだけど、旦那の身分の関係上完全に臣下に下っちゃってるから、吉備内親王との間の子も当然資格がない。（父系で考えると３代目なのでまた無理）
ただ、この時元明・元正天皇側と聖武天皇＋藤原四兄弟側が対立していて、文武天皇の夫人だった（皇后じゃないし皇族でもない）藤原宮子との間の聖武天皇が慣例を押し切る形で天皇に即位してしまった。
母親の身分が夫人である上に、皇族じゃない。そして元正天皇までは母親の血筋に蘇我氏の血が必ず入ってるんだけど、聖武天皇からは藤原氏の血を引く天皇になったわけで支持母体が違う。
持統天皇と元明天皇は姑と嫁である前に異母姉妹で、その上母親同士も姉妹。元正天皇は持統天皇の早世した皇太子と元明天皇の娘。
そして聖武天皇側は、不比等の妻である橘三千代が乳母になって後の皇后となる娘と一緒に抱え込んで育てた掌中の玉なわけ。
先例にないことになったのだけど、対立の図式は変わってないので元明・元正天皇側は新しく自分たちの血を引く皇子を用意して対抗したかったわけ。
それが吉備内親王と長屋王の間の子供たちで、聖武天皇の後の天皇にする為に元明天皇が特別に身分を与えたわけ。
そして藤原四兄弟側はその王子たちが邪魔だったので、長屋王の変の時に「吉備内親王」も一緒に暗殺した。
だから長屋王のところに嫁にやった藤原四兄弟の姉妹である長子は殺されてないし、長子との間に出来た長屋王の子供たちももちろん殺されてない。
なぜなら、長子の産んだ子供は天皇になれない子供たちだから、殺す必要がないから。
ただその後、藤原四兄弟は流行り病で死んでしまい、聖武天皇と光明皇后は怨霊を恐れてあっちこっち遷都して大仏を作る。
元明・元正天皇側は母系を同じくした自分の血筋の皇子たちを失い、聖武天皇と光明皇后側は後ろ盾であった藤原四兄弟を一気に失い、その後皇子は生まれず…。
藤原の血を引く天皇は一端途切れた。