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保守的なイスラム教国のサウジアラビアで、成人男性が女性の胸から乳を飲むことを許すファトワ(宗
教令)をある聖職者が提案し、国をあげての論争となっている。
問題となっているファトワは、アブドラ・ビン・アブドルアジズ国王の上級顧問でもあり、イスラム色
の緩和に支持的といわれるアブドゥル・モーセン・オベイカン師が出したもので、「女性が授乳した男
性は、その女性の息子とみなしうる」という内容。
これはイスラム教の書物にみられる故事に基づくものだが、一部には、親族ではない男性と女性の同席
を宗教的観点から禁じているサウジアラビアの法をかいくぐる方便だという見方があるため、国内では
聖職者たちに限らず、メディアやインターネット上で国民が意見を戦わせる大論争に広がった。
4日、聖地メッカの聖モスクでの金曜礼拝では、大きな影響力を持つアブドゥル・ラーマン・スダイス
師がこのファトワについて「いんちきもはなはだしい」と紛糾、「腐ったものを売りつける商人と変わら
ない」、国の治安さえ悪化させる問題だと強烈に批判した。
またサウジアラビアの大ムフティー(イスラム法の最高官)にあたるアブドラアジズ・シェイフイスラ
ム問題相も6日、問題となるファトワを出す聖職者はやぶ医者と同じだと苦言を呈し、「コーランに依拠
していないおかしなファトワの発令は止めさせなければならない」と述べ、取り締まる可能性もちらつ
かせた。
サウジアラビアでは女性には車の運転免許の取得資格がなく、1日5回の礼拝の際には商店は完全に閉め
ることなどイスラムの教えの解釈がより厳格。政府はシャリーアと呼ばれるイスラム法に基づく司法制
度をさらに強化しようともしており、ファトワを出す権限をもつ機関を聖職者たちの最高会議ひとつに
絞り、ほかの聖職者たちはそれに従う体制にしたがっている。
こうした背景の下、一見難解な宗教論争の根本には現代生活に即して、イスラム色を薄めようという動
きがある。
今年初めには、思想的に自由だという風評があったメッカの宗教警察長官アフメド・ガムディ氏が、男
性と女性が礼拝の場で同席することを支持する発言をして解任され、その後復帰した。このときも宗教
界や世論では保守派と進歩派の間で大論争となった。
ソース:AFP URLリンク(www.afpbb.com)
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