10/05/27 09:10:05
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メキシコ湾の原油流出事故により、米ルイジアナ州の沿岸には原油、タールボール（油塊）、
野生動物の死骸（しがい）が漂着するなど被害が拡大しているが、もう一つ新たな脅威が近づいてきた。
６月１日からのハリケーンシーズンだ。
◆数百億ドル補償の試算
英気象予報機関トロピカル・ストーム・リスクは２５日、１１月３０日までのシーズンに
熱帯暴風雨１６個が発生し、うち８個は時速３９マイル（６２キロメートル）以上のハリケーンに発達。
４個は勢力が強いとの予報を発表した。米国本土に上陸する暴風雨の数が例年を上回る確率は７４％で、
「すべての測定指標が今年のハリケーンの活動が例年を大幅に上回ることを示唆している」という。
コロラド州立大学などの学術機関や民間気象予報会社は１４～１８個の発生を予想している。
ベイユー・グレース・コミュニティー・サービシズ（ルイジアナ州）のコートニー・ハウエル事務局長は
「現時点で実態を把握することは非常に難しい。原油流出の脅威の大きさは分かるが、そこに
ハリケーンが加われば想像を絶する」と述べた。
ダートマス大学タック・スクール・オブ・ビジネス（ニューハンプシャー州）の非常勤教授で
再保険の専門家であるグレゴリー・スレイトン氏は「補償額は数十億～数百億ドルに達しそうだ。
環境や気候に打撃を与えるリスクのある事業に携わる者は、何が起こっているか理解しておいた方がいい」
と述べた。
メキシコ湾には、４月２０日に発生した深海掘削装置の爆発で流出した原油が浮かんでいる。
気候学者でルイジアナ州立大学教授のバリー・ケイム氏によれば、暴風雨が原油流出海域を直撃して
上陸した場合、原油流出を阻止する作業を中断せざるを得ず、原油が内陸部の数マイルの地点まで
打ち寄せられ、海岸や湿地帯あるいは湾岸全域に汚染が広がる可能性があるという。
同教授は「あらゆる方向から暴風に襲われれば、原油が押し流され、メキシコ湾全体に広がる可能性がある」
と述べた。
-続きます-