10/02/23 18:54:53
URLリンク(wiredvision.jp)
米国の情報機関が、「嘘発見」の技術を極めようとしている。といっても、ポリグラフ検査や
音声ストレス分析など、既存の手法を向上させるのではない。われわれ人間に備わった、
直感的な「前意識による信頼性評価」能力を増幅させようというのだ。
[ポリグラフが正確だという根拠はないに等しく、ほとんどの法廷で検査結果は証拠として
認められていない。また、fMRIや脳波測定による「嘘発見システム」の開発も行なわれて
いるが、効果的なシステムはまだ完成していない(日本語版記事)]
どんな巧みな嘘も見破ろうというこの取り組みを推進しているのは、米国家情報長官局
(ODNI)[米国政府の15の情報機関を統括する]の下で「斬新な」研究を行なっている組織、
『諜報先端研究プロジェクト活動』(IARPA)だ。
IARPAは2009年に研究者会議を開き、『TRUST』という初期段階のコンセプトについて話
し合った。TRUSTは、『Tools for Recognizing Useful Signals of Trustworthiness』(信頼
性を見極めるシグナルの認識ツール)の頭文字をとった名称だ。
IARPAは先ごろ、このプロジェクトに対する提案の公募を開始した。TRUSTは、5年の期
間と3つの段階を通じて、現行の嘘発見技術の見直しを図る計画だ。
TRUSTプロジェクトは、その人間が信頼できるかどうかの評価に役立つセンサーとソフト
ウェアを開発することを最終目的としているが、IARPAはまず手始めに、信頼性の評価に
おいて、われわれ人間の直感力をどの程度活用できるのかを見極めようとしている。
プロジェクトに対する提案の要請文書によると、相手を信頼できるという判定は、多くの場
合は「虚偽またはストレスの存在が認められないこと」を理由に下されるという。ポリグラ
フ検査が嘘か真実かの判定に用いているのはまさしくこの手法であり、時にそれは誤った
判定をもたらす。
IARPAは、虚偽とストレスを信頼性の評価基準に用いることをやめ、代わりに、人間の
(不)正直さの手がかりとなり得る4つの要素を評価する手法を開発しようとしている。4つ
の要素とは、神経学的、心理学的、生理学的、行動学的なシグナルだ。
IARPAでは、これら4要素すべてを網羅し、人間が嘘をついている時にそれらがどのよう
に変化するか、また、人間に備わった「嘘発見システム」がそれらをいかにして検知し得
るかを明らかにする提案を求めている。
IARPAはまた、「人間がいつ、なぜ、どのように、どの程度まで他者を信頼し、また信頼に
足ると評価するのか」を解明したい考えだ。
続く