10/02/22 00:31:54
社会科学者マルク・ヘルプリンク氏は、スイスにやってきた移民がいつ不機嫌な
スイス人に遭遇するのか、なぜ隣国のドイツ人といえども苦労しているのかを説明する。
swissinfo.ch :
スイスにおける「ドイツ嫌い」について研究発表されていますが、
なぜスイス人はドイツ人移民によって脅かされていると感じているのでしょうか。
ヘルプリンク :
常に移民研究では、短期間に多くの人が移住してくると、その移民は脅威と認識されます。
1990年代半ば以降、かなりの数のドイツ人がスイスに移住しました。これはスイスが有能な人材を必要として
いるからです。加えて、2002年に締結された2国間協定によって、ドイツからスイスへの移住が簡単になりました。
2005年以降はスイス全土に居住するドイツ人人口はイタリア人、セルビア・モンテネグロ人、ポルトガル人に
次いで4番目になりました。
swissinfo.ch :
スイス人は密かに起こりつつある、いわば「ドイツ化」を恐れているということですか。
ヘルプリンク :
ある意味そうですね。特に今日ではドイツ人移民グループが最大となったチューリヒで、ドイツ人について
苦情を耳にします。そこには「チューリヒ移民現象」のようなものが起こっていると言えます。
フランス語圏のスイス人か、もしくはベルン出身の人にでも聞いてみてください。
彼らはそんなに極端にドイツ人のことを悪く言いません。
swissinfo.ch :
ドイツ人のことになるとなぜ感情がそんなに高まるのか。それは、大量移民が唯一の理由ですか。
ヘルプリンク :
いいえ、ほかにもいくつかの理由があります。それは経済面で重要なことです。あまり高い教育を受けておらず、
大抵がドイツ語を巧みに話せず、低賃金の仕事をしていた過去の典型的な移民とは対象的に、ドイツ人は高い能力を
必要とする職に応募してきます。
こういった典型的なドイツ人移民は大学を卒業した、例えば医師や大学の研究者、または情報科学者などです。
スイス人とドイツ人は労働市場において狭き門、激戦区で互いに競争することになるのです。
これは、なぜ高い教育を受けたスイス人の間でもドイツ人に対する敵視が生じるのかという根拠を説明しています。
これは移民研究では通常確認されない現象です。と言うのも、高い教育を受けている人ほど外国人に対してそう排他的では
ないという定説があるからです。
(以上、記事元より一部抜粋)
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