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◇イスラム系サイトに犯行声明 正教司祭射殺、水面下で宗教対立?
【モスクワ=佐藤貴生】モスクワ南部で先月、ロシア正教の聖職者が射殺される
事件があり、イスラム武装勢力系のインターネットサイトは25日、「兄弟の1人」が
殺害したと犯行を認める声明を掲載した。声明の真偽は不明だが、この聖職者は
イスラム教の教えを厳しく批判、脅迫を受けていた。チェチェンやダゲスタンなどの
北カフカス地方では、イスラムの教えに厳格な一派の勢力拡大が伝えられており、
宗教上の対立が水面下で先鋭化している可能性もある。
殺害されたのは正教のダニール・スィソエフ司祭(35)。11月20日夜、
教会に侵入した何者かに頭などを銃撃され死亡した。
武装勢力系サイト「HUNAFA.COM」は25日、同司祭を「アラーの敵」と名指しし、
「兄弟の1人が刑罰を与えたいと宣誓し、その様子を携帯電話で撮影した」とする
声明を掲載した。声明は「穏健なキリスト教徒と戦う気はないが、イスラムの教えと
信徒を非難する者はスィソエフと同じ運命をたどる」と警告している。
露有力紙コメルサントによると、司祭は過激なイスラム教批判で知られ、
「イスラム教は偽預言者に基づくものだ」などと訴えていた。これに反発した
「イスラムの守護者」と名乗る者が、「死刑宣告」を伝える手紙を送りつけ、
10月には司教が治安当局に保護を求めていた。動機はさまざまだが、
同紙はこの20年間に正教の聖職者30人以上が殺害されたとしている。
北カフカスでは深刻な貧困を背景に、華美な生活を忌み嫌う過激な
イスラム思想が浸透していると伝えられ、今年は地方高官の
殺害・襲撃が相次いだ。第2次チェチェン紛争の沈静化による
治安の安定期は終わり、再び戦乱の時代に入った-との見方も出ている。
ソース(産経新聞)URLリンク(sankei.jp.msn.com)