09/11/28 20:25:55
◇差別が差別を生んだ 独法廷殺人犯に終身刑
ドイツ南部ドレスデンの法廷で7月、妊娠中のエジプト人女性、マルワ・シェルビニさん=当時(31)=が
殺害された事件で、殺人などの罪に問われたロシア系ドイツ人の男に、同国刑法では最も重い終身刑が
言い渡された。判決は、男がドイツでの生活に強烈な不満を抱いていたことが犯行につながったと指摘。
事件からは、差別される者がさらに差別を生む悪循環の構図が見えてくる。
計画性を否定
「被告人は、ドイツでの生活を“くそったれな多文化主義”と嫌悪していた」
「外国人が自分から職を奪っていると考えた」
「排外主義は被告人の人生の中心思想だった」
今月11日に開かれた判決公判。独誌シュピーゲル(電子版)などによると、
ビルギット・ビーガント判事は、アレックス・ビーンズ被告(28)が犯行に至るまでの
心情についてこう述べ、「人種的な憎悪から出た犯行で、非常に残虐」と厳しく指弾した。
公判で弁護側は、犯行は計画的ではなく、過失によるものだったと主張。ビーンズ被告が
ロシアに住んでいた2000年1月ごろ、統合失調症であることなどを理由に
当局の監視下にあったとする書類を証拠として提出して責任能力の有無についても争った。
しかし、判決は15年間は仮出獄が許されない終身刑。刑が確定すれば、
18~25年は仮出獄の可否を判断する審査も受けられない可能性が高いという。
ブランコが発端
「息子にも遊ばせてやってほしい」
シェルビニさんが公園のブランコに座ってたばこを吸っていた
ビーンズ被告にこう話しかけたことが、事件の発端だった。
ビーンズ被告は、3歳の息子のために場所を譲ってもらおうとしただけのシェルビニさんを
「テロリスト」「イスラム主義者」「売春婦」などと侮辱。ショックを受けたシェルビニさんから告訴され、
7月1日、その事件を審理中の法廷で、隠し持っていたナイフでシェルビニさんを
16回にわたって刺したのだ。
第2子を身ごもっていたシェルビニさんはほぼ即死。助けに入った
夫のエルウィ・オカズさん(32)も重傷を負った上、駆けつけた警官に
犯人と間違われて足を撃たれた。中東系の顔立ちだったためとみられる。
日常的にスカーフをかぶって生活する敬虔なイスラム教徒だったシェルビニさんは
「スカーフの殉教者」と呼ばれ、出身地エジプトを中心に大々的な
抗議運動が巻き起こった。当初、ドイツのメディアの事件に対する関心が低かったことも
「人種差別の表れ」だとして怒りを増幅させた。
判決を受けて、エジプトのラムジ駐ドイツ大使は「最も厳しい罰を受けたことに満足している」
とコメントしたものの、一般国民の反ドイツ感情は依然として強い。
ソース(産経新聞)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
▽11月11日、当局者に連れられて入廷するビーンズ被告(右)。判決公判でも顔を隠したままだった
URLリンク(sankei.jp.msn.com)