09/08/12 16:56:41
【モスクワ時事】ロシア外務省は7日、日本から北方四島への人道支援物資の受け入れを
中止することを決定したとの声明を出した。決定は在モスクワ日本大使館を通じ、日本側に
通知された。
北方四島への人道支援事業は、領土問題解決に向けた環境整備の一環として1990年代
初めに始まったが、ロシア側の受け入れ中止決定で曲がり角を迎えた形だ。
声明は、これまでの日本の支援に謝意を表明するとともに、「これ以上、日本の人道支援を
受ける必要がないことを日本側に説明した」と述べた。日本大使館は「これから対応を検討す
る」としている。
北方四島への人道支援には、医薬品などの物資供与のほか、北海道の病院への急病患者ら
の受け入れがある。ロシアの声明は「人命にかかわる非常事態が起きた場合には、人道的協力
を行う」としており、患者治療や災害支援などは例外とする立場を示した。
人道支援をめぐっては今年1月、日本側が国後島に医薬品などの物資を届けようとしたが、ロ
シア側が出入国カードの提出を求めたため、断念。その後、日本の国会で北方領土を「わが国
固有の領土」と明記した改正北方領土問題等解決促進特措法が成立したことにロシア側が猛反
発していた。
日本大使館は、今回の人道支援受け入れ中止について、ロシア側が四島の社会・経済情勢の
安定を理由に挙げ、「政治問題とは何ら関係ない」と説明したとしているが、領土問題をめぐる雰
囲気の悪化が決定の背景にある可能性は否定できないとみられる。(2009/08/07-23:24)
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