09/05/26 02:54:24
不法移民キャンプ:英国目指し、フランスに 治安悪化、マフィア抗争で死傷者
◇撤去決定、反発も
英仏(ドーバー)海峡を望むフランス北部カレー市近郊の林でここ数年、英国への密入国を狙うアフガ
ニスタンなどの不法移民がキャンプを作り、社会問題化している。「ジャングル」と呼ばれる林一帯では
不法移民同士の衝突で死者も出た。先月、仏政府は「治安悪化」などを理由にキャンプの強制撤去を
決めたが、支援団体は「不法移民問題の解決にならない」と反発している。現場を歩き、移民の人々の
声を聞いた。
正午、市中心部の広場。地元の非政府組織(NGO)「ベル・エトワール」が行う炊き出しに、数百人の不
法移民が並んだ。国籍は多様だ。同団体などによると、エリトリア、ソマリア、スーダンなどアフリカ諸国
やイラクやアフガンなどの出身者も多く、現在、市内に約700人いる。市近郊の林には400人が暮らし、
残りは市の移民センターなどに住む。
その中の一人、アフガン人のノルゼイ氏(21)が話した。「1カ月前、給油所で英国行きのトラックの荷台
に潜り込み、密入国を試みた。でも、運転手に見つかり失敗した」
同氏はアフガンの旧支配勢力タリバンと米軍との激戦が続く南部カンダハル出身。空爆で父が2年前に
死亡し、欧州で働こうと家財を売った。不法移民をあっせんするマフィアに約1万ドル(約100万円)を払
い、3カ月前に来た。
不法移民が狙うのが英国への密入国だ。「毎晩のように仲間が英国行きトラックやフェリーに忍び込み、
摘発される」「トラックの車輪近くに隠れて走行中振り落とされ、大けがをした仲間もいる。自分も近く再度
英国に密入国する」
英国行きの理由を不法移民18人に聞くと、ほぼ全員が「英語が使えるし親族もいる」「仏に比べ移民規制
が緩く、職も見つけられるはずだ」と答えた。
◇大半がアフガン出身
市中心から北東約4キロの「ジャングル」を歩いた。化学工場地帯そばの低木林。林に入ると、シートと雑
木の「テント」が並び、炊事中の人や日なたで寝転がる人も。近くの汚れた運河では、数人が水浴びをして
いた。
現在、「住人」のほとんどはアフガン出身の若い男性。10代前半の少年もいる。数カ所ある林ごとにパシュ
トゥン人、ハザラ人など、同国を構成する各民族が別々に暮らす。
「気をつけろ。キャンプには、マフィアがいる。彼らは武器を持っている」。現場にいた男性(19)に耳打ちされ
た。彼によると「マフィア」らは不法移民から1000ポンド(約15万円)を受け取り、キャンプに住まわせる一方、
深夜、不法移民をひそかにトラックに忍び込ませる手伝いもする。男性は「自分も600ポンド支払った」と話し
た。
事実、キャンプ周辺の治安は悪く、1月にはマフィアの抗争とされる乱闘が起きて、アフガン男性が刺され死
亡。3月にも抗争で6人が負傷し、昨年にはキャンプを取材中のカナダ出身の女性記者(31)が暴行され、ア
フガン人マフィアらが容疑者として逮捕された。
「写真を撮るな」。取材中、目つきの鋭い男性がそう叫んだ。
(★一旦切ります、続きと関連スレは>>2以降)
ソース(毎日新聞)
URLリンク(mainichi.jp)