09/02/26 00:31:39
東京都足立区に住むインド国籍のサニー・アマルさん(45)の長女で小学六年のコーマルさん(12)が今月、
都内の私立中学校に合格した。バレーボール部への入部も決まり、入学式を心待ちにするが、
実際に校門をくぐれるかは分からない。
一家は不法残留で強制退去処分を受け、現在は退去が猶予されている仮放免の身だからだ。
アマルさんは一九九三年、妻(45)と短期ビザで入国。期限切れ後の不法滞在中、コーマルさんと長男(15)、
次男(9つ)の三人の子どもが生まれた。夫妻は少しでも自然な形で滞在できれば、との思いで
子どもたちが通った小学校のPTA役員を務め、地域のボランティア活動にも積極的に参加してきた。
コーマルさんが地元のスポーツ少年団でバレーボールを始めたのは小学二年の時。
友だちに誘われたのがきっかけだが、一七七センチの長身と持ち前の身体能力を武器に頭角を現し、
昨年は都大会に出場。強力なスパイクが注目された。
合格した中学校のバレーボール部は今春に新設されるが、系列高校は関東大会の出場校。
中学チームの強化を目指す学校関係者は、コーマルさんの入部に熱い視線を送る。
コーマルさんの夢はプロのバレーボール選手。夢に近づく第一歩となる合格に、
コーマルさんは「泣きたくなるくらいうれしかった。練習が厳しくても頑張ってエースを目指す」と瞳を輝かせる。
しかし、希望が膨らむにつれ、強制退去への恐怖も大きくなる。
退去処分の取り消しを求めて起こした訴訟は昨年、最高裁で敗訴が確定。
仮放免中の一家は、身柄の収容が一時的に停止されているにすぎない。
東京入国管理局への毎月一回の出頭を義務付けられ、いつ収容されてもおかしくない状況が続く。
コーマルさんは今月十日、家族とともに出頭し
「合格したのにインドへ帰りたくありません。私のたった一つのお願いです」と記した法務大臣あての手紙を提出した。
「中学合格が家族全員の滞在につながってほしい」と祈るコーマルさん。
一家の残留を求める嘆願書は一万一千人分を超えた。
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)