09/01/16 01:35:47
ガザの地下トンネル探すイスラエルの探索技術
レーダー、光ファイバー、音波探知機、汗をかぎ分ける探索犬―。パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配する
イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が、武器などの密輸に使用しているとされる地下トンネルの効率的な発見方法が、現
在懸命に模索されている。停戦の実現は、こうした地下トンネルを発見できるかどうかにかかっている。
■エジプトとの境界線沿いにトンネル数百か
イスラエルは、ハマスがガザ地区と隣接するエジプトとの境界線沿いに地下トンネルをめぐらし、食糧や医薬品のみならず、イ
スラエルに向けて発射しているロケット弾などの武器を密輸していると主張している。
米国は、トンネル発見の任にあたっているエジプトに対し、装備費などの名目で3300万ドル(約30億円)の資金援助を約束してい
る。
イスラエルは、こうしたハマスの武器密輸ルートが壊滅されるまではガザへの攻撃を停止しないとしているが、米国もエジプトも、
総延長14キロの境界線沿いにあるハマスの地下トンネルをどのような手法で探索しているのかは明らかにしていない。
かつて、ナチス(Nazis)・ドイツは、地中にマイクを埋めて戦争捕虜の脱走を監視した。米軍はベトナム戦争時代、ベトコンのトンネ
ルを発見するための地中探知レーダー(GPR)を発明し、このレーダーは後に考古学の分野で応用されるようになった。
こうした装置や探索犬の投入は、メキシコから北アイルランドに至るまで世界中で、地下トンネル発見作業における常套手段とな
っている。
米デンバー大学(University of Denver)のローレンス・コンヤーズ(Lawrence Conyers)氏によると、トンネルの探索にはGPRが最
適で、エジプト・ガザ境界のように砂地が多い場所では、車両後部にレーダーを取り付け、レーダーを引くように移動しながら追う方
法が最適だという。
ただし、GPRは異物を検出しても金属探知機のような警告音は出ず、データを解析・解釈する能力が求められる。そのため、エジプ
ト軍の兵士らが米国製のGPRの使用法訓練を受けているとされるが、コンヤーズ氏は「本当に興味を持ってできる人材が必要。普
通の”兵隊の仕事”では収まらない」と専門性が必要な点を指摘する。
同氏によると、宇宙線により生成された微細なミュー粒子を検知するという少々変わった手法もあり、この研究は始まったばかりだと
いう。
(一旦切ります、続きは>>2以降)