08/12/01 08:47:30
普通の芝生なら芝刈り機で手入れできるが、傾斜地や、汚染された埋立地については、歩行
困難な場所も転ばずに歩ける頑丈な生物マシン―つまり、ヤギ―に注目する都市が増
えてきている。
ヤギは、4つの胃があることで有名だ。
[鯨偶蹄目、ウシ亜目(反芻亜目)に属するウシ、ヤギ、ヒツジなどは、4つに分化した胃を持つ]
この4つの胃のおかげでヤギは、人間がレタスをかじるのと同じくらい簡単に、樹皮や雑誌を食
べることができる。中でも重要なのは、第1胃(rumen)だ。
第1胃は「大きな発酵用タンクの働き」をして、いったん胃に入った食物のうち固いものを選択的
に吐き戻し、消化できるようになるまで繰り返し噛むことができる。この過程を経て、繊維素を多
く含む粗い食物を食べることができる。英語ではこの「rumen」から、「ruminate」(反芻する)という
動詞が派生した。
米国各地の都市や工業地帯では現在、この驚異的な生物マシンを利用して、化学物質や芝刈
り機を使わずに不要な植物を取り除いている。広い土地の所有者向けに、地所に生えた植物を
減らせるようにヤギを貸し出すサービスが多数存在するのだ。
カリフォルニア州サンディエゴでは、ヤギを利用して、火事の被害を拡大させる危険がある茂み
を一掃している。コロラド州デンバーでは、荒廃地や、除草剤を使えない公園などで、100頭のヤ
ギを放牧している。
上の動画は、ワイアードの取材班が米City Grazing社を訪問した時の様子を撮影したものだ。同
社は、サンフランシスコ市ハンターズ・ポイント近郊を拠点に、ヤギの貸出サービスを展開している。
「ヤギとコミュニケーションがとれる」と自称するDavid Simon氏が経営するCity Grazing社は、サ
ンフランシスコ市内の工業化が進んだ地域にある埋立地で、ヤギを放牧している。
「文明が滅びた後の世界」に見える光景に騙されてはいけない。これは、本格的なビジネスモデル
を伴う都会の農場なのだ。
[日本でも、ヤギや牛、羊による除草が各地で行なわれている。1ヘクタールを除草するには、ヤ
ギの場合は3頭、牛は1頭で1カ月かかるという]
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