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北方領土で日本のTVもう見られない!? BSデジタル化で受信困難
北方領土のロシア人島民が今、二〇一一年七月の日本のテレビ放送の完全デジタル化に
頭を抱えている。現地ではNHK・BS(放送衛星)の天気予報などを見ている人が
多いが、BSアナログ放送が終了し、デジタル放送になれば、受信にはチューナーなど
が必要になることが、これまでほとんど知られていなかったからだ。
「日本の天気予報がデジタル化で見られなくなるなんて」。ビザなし交流で一カ月間、
札幌や根室に滞在した色丹島斜古丹のオリガ・コーニェワさん(55)は一日、帰島前
の記者会見でこぼした。今回の訪問で初めてアナログ放送の終了を知ったという。
コーニェワさんは「ロシアでは北方領土をカバーする天気予報が少なく、台風情報など
が詳しいNHKの天気予報が頼り。ほかにも面白い番組が多く、日本語も分かるように
なる」と説明する。
NHKによると、北方領土では日本本土よりやや大きいアンテナを付ければ、BSを
受信できる。
コーニェワさんの話では、色丹島の半数程度の世帯がBS用のアンテナを付けていると
いう。根室市のロシア人向け案内施設、根室インフォメーションセンターには「NHK
の天気予報で地名の漢字が読めず、困っている」と四島在住のロシア人が相談に来たこ
ともあった。
だが、デジタル放送になれば、デジタル対応テレビか、二万円前後の専用チューナーが
必要で、日本本土と同様に新たな負担が必要となる。
根室市内の電器店では、これまでも四島のロシア人船員がBS用のアンテナを買って
いくことがあった。デジタル化で新たなロシア向け需要が期待できるが、ある電器店主
は「高価なチューナーを購入してまで見たいロシア人が、どれだけいるのか」と話して
いる。
(10/14 07:24)北海道新聞
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