08/09/30 20:23:47
アフリカ東部のソマリア沖近くで9月25日午後起きた、海賊によるウクライナ企業運航の貨物船乗っ取り事件で、
米海軍当局者は29日、複数の艦船が貨物船周辺に集結し、同船の移動などをけん制していることを明らかにした。
にらみ合いは6日目に入ったとしている。
30日には貨物船上で銃撃戦が発生したとの情報が流れたが、確認されていない。
同船ではイスラム教の断食月明けを祝い、海賊が祝い事を行ったとの情報もあり発砲がこれと関係している可能性もある。
貨物船は、旧ソ連製のT─72型戦車33台、砲弾、迫撃砲発射装置、小火器類などを積んでおり、
米海軍艦船は兵器がソマリアの反政府武装勢力へ流出することを阻止する狙いとみられる。
兵器は、ウクライナの国営武器メーカーがケニアに正式に売却したもので、同国政府報道官もこれを確認した。
米海軍当局者によると、同軍は海賊と貨物船の運航企業との間の交渉に関与していない。
海賊は身代金の要求額をこれまでの3500万ドル(約36億4千万円)から2千万ドルに下げたという。
国際海事局の海賊情報センター(本部クアラルンプール)によると、貨物船はベリーズ船籍で、乗組員は計21人。
ウクライナ人が船長含め17人、ロシア人3人にラトビア人1人となっている。
うち1人が高血圧症で死亡したとの情報もある。
ウクライナ・ニコライフからケニアのモンバサへ向かっていた。
武装した海賊がボート3隻に分乗、同船舶を包囲したという。
ロシア人が含まれていることから、ロシア海軍はフリゲート艦を現場海域に派遣することを発表している。
貨物船が乗っ取られたのはモンバサ近くの海域。
ソマリア沖は世界最悪の海賊多発地域。
海賊は乗っ取った後、ソマリア領海に逃れ、身代金を要求するのが手口となっている。
ソマリアは現在、政府軍とイスラム反政府勢力の間で戦闘が発生、海賊には武装勢力も関与しているとみられる。
ソマリア沖での海賊事件多発を受け、国連安全保障理事会は今年6月、
ソマリア政府の海賊対策に協力する外国諸国の艦船に追跡、捕そくなどで
領海進入の権限を認める決議を全会一致で認めた。
国連が支援するソマリア暫定政府は決議を歓迎。
決議はまた、国連加盟国に対しソマリアへの海賊掃討での技術支援も促した。
この決議を受け、米海軍などがアデン湾での監視作戦を強化している。
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