09/03/15 20:56:03
「日本でも韓国でも、在日韓国人は捨てられた民、つまりマイノリティー。わたしの祖母や父、
わたし自身の生き様をありのままに描きたかった」
演劇『焼肉ドラゴン』で日本の2大演劇賞である朝日舞台芸術賞と読売演劇大賞に輝いた在
日韓国人劇作家・鄭義信(チョン・ウィシン)氏(51)が韓国にやって来た。中央大学の招聘
(しょうへい)教授(1年)として、今月からソウルでの生活をスタートさせた彼は「韓国ではわた
しは異邦人のよう」と言った。演出法や戯曲作家論を教えるとのことだが、「緊張しすぎて学生
の顔を真っすぐ見ることもできないんです」と笑った。
『焼肉ドラゴン』は40年前の大阪を舞台に、立ち退きを迫られる在日韓国人一家の生き様を
描いた韓日合作劇だ。昨年4月に東京で初演され、5月にソウル公演が行われた。この作品は
既に五つもの賞を受賞しているが、さらに16日には鶴屋南北戯曲賞、17日には文部科学大臣
賞が贈られる。日本の文部科学大臣賞が在日韓国人に授与されるのは初めてのことだ。
ビートたけし(北野武)主演の映画『血と骨』(2004年)の脚本を書いたことでも有名な鄭義信
氏は1957年、兵庫県姫路市に生まれた。両親は古物商を営み、小さいころは母方の祖母に育
てられた。祖母は韓国で過ごした少女時代の話を繰り返し聞かせてくれた。孫が「帰りたい?」
と聞くと、祖母はこうつぶやいたという。「帰りたくても誰もいないの。誰も…」。祖母はこの世を
去るまで、故国の土を再び踏むことはなかった。鄭義信氏は、「わたしが書くストーリーは祖
母の人生の嘆き。悲しみと喜びから生まれたもの」と語る。
『焼肉ドラゴン』『杏仁豆腐のココロ』といった鄭義信氏の作品には、食事のシーンが必ず登
場する。「食べるという行為は原始的な欲求。でも、男が食べる姿はあまりきれいじゃないでし
ょ。むしろ面白おかしい。しかし、よくよく見てみると、悲しくなる。だから“あれが人生だな”って
思うんです。死に物狂いでやっているのに、ちょっと離れたところから見ると笑えるし、悲しい
…人生そのものだと思います」
鄭義信氏は「演劇は祭祀(さいし)のよう」とも言った。先祖を祭るためのごちそうを作る(芝
居を作る)人々は特別なものを用意するが、何の関係もない人々は祭祀の場で食い散らか
していく(劇場に来て見ていく)からだ。いい芝居とは何かと尋ねてみると、「“そこ(舞台)に人
が暮らしている”ということではないでしょうか。彼らと共に泣き笑うことができたら、それがす
ばらしい芝居です」という答えが返ってきた。
URLリンク(www.chosunonline.com)
【演劇】「捨てられた民でありマイノリティーだ」 韓日合作、在日韓国人一家を描いた『焼肉ドラゴン』が朝日舞台芸術賞グランプリ[12/27]
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