09/03/10 01:09:08
ウォン急落、「3月危機」はあるのか
韓国の通貨ウォンが急落している。米リーマン・ブラザーズが破たんする直前の昨年8月から、
今年3月初めまでに対ドルで35%下落した。対円では55%もの下落率となった。その影響は
様々な形で出ている。
2月末、旅行会社のエイチ・アイ・エスは 2008年11月~2009年4月期の業績について、韓国
旅行の取り扱いが急増、為替益もあり、経常利益予想をこれまでの17億円から23億円と
上方修正すると、株価が急伸した。
日本から高級ブランド品の買い物ツアーがさかんだそうだが、それだけではない。分かりやすい
例がダイソーの100円ショップだ。韓国では“1000ウォンショップ”として知られる。1000ウォン
商品が人気で、韓国内で380店が展開されている。その均一価格が日本円に換算すると昨年
夏に 110円ぐらいだったのが、今は60円だ。恐らく、世界23カ国・地域で同社が展開している
中で一番安い。
3月3日付コリア・タイムズ紙は「YEN Welcome」という見出しの記事を掲載した。そこには、
大型スーパー・ロッテマートのソウル駅店では、観光客のおかげで今年1~2月の海産物の
売り上げが前年同期比で127%増、健康茶が112%増、コチジャンが54%増と記されている。
免税店だけでなく、食品売り場にまで日本人客が押し寄せ、ロッテグループ全体の1~2月売り
上げは同11.8%増を記録、コンビニやレストランでも同様な繁盛ぶりだそうだ。
韓国マネーも日本に流入
ウォン安でジャパンマネーが韓国に向かっている図式だが、実はその逆も目立つように
なっている。昨年11月に韓国の証券会社が日本の中小証券会社であるジーク証券を買収した。
今年は2月だけでも2件、上場会社を巡る韓国マネーの動きが見られた。
1つは、デジタルコンテンツ配信事業のデジタルアドベンチャーが、著名韓流スターのペ・
ヨンジュン氏のコンテンツ会社BOFインターナショナルと合併すると発表、デジタル社の株価が
急騰した。BOFはぺ氏が所有する韓国の上場投資会社の子会社で、合併会社にはペ氏側が
経営参加の見込みとされる。
もう1つは、金融情報会社のフィスコが先月、19日連続高の記録を作ったこと。これも韓国
マネーがきっかけとされる。同社は港区に住む韓国名の男性が保有株比率10.25%の大株主と
なったと発表。関東財務局に提出された大量保有報告書で保有目的が「経営参加」(その後
「安定株主としての保有」に変更)と書かれており、思惑がさらに広がっている。
>>2-10へつづく
ソース:日経ビジネスオンライン
URLリンク(business.nikkeibp.co.jp)
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