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■士大夫(ソンビ)精神・韓国精神
「低く暮らし、高く考える。」 生活は質素にするが心は風雅で悠悠自適にするのが
真の人間の高潔な生活である、という士大夫精神の極致が、「敬」思想だ。「敬」は
学問の一方法として、真理を理解して道徳的主体を確立する門だと考えられていた。
退渓李滉に至って、この「敬」の概念が世界観・人間観を含んだ哲学体系の核心に
なり、「敬哲学」として成立した。退渓は「敬哲学」を確立することで、儒学をより個性
ある実践哲学・士大夫精神として集大成した思想家だと言える。<中略>
東京大学の阿部吉雄教授は言う。「朝鮮の退渓李滉の敬思想は、徳川政権のイデ
オロギーに大きな影響を与えた。また、明治維新の原動力になった山崎闇斎学派、
横井小楠や元田永孚などは、退渓を神様のように尊敬していた。こうした事実を、
今日の日本人たちは決して忘れてはなるまい。これを忘れては、日本文化が依って
立っている精神的基盤を完全に見失うことになるからだ。」
明治維新は、退渓の敬思想が教育を通じて普及することで可能だった。西洋文明が
潮のさすように押し寄せる明治初期には、孔孟の教えを排斥する一方で国粋主義・
復古主義が起きた。そんな両極端の間で天皇を補佐したのが元田永孚だった。教育
を直さねば日本の将来は無いと考えた天皇は明治12年、元田に「教学大旨」を下す
ように命じた。この「教学大旨」が明治23年に「教育勅語」として公布され、退渓の
敬思想が日本の近代教育に具体的に導入されるに至った。
歴史学者の韓永愚(ハン・ヨンウ)は最近、光化門文化フォーラムでこう語った。「過去100
年間、西欧化が進んで物質的豊かさを得たが、精神的自信感は喪失した。ある時は
歴史の全面に出て火のような精神で時代に号令し、ある時は田舎に蟄居して深みの
ある思索で時代を支えた士大夫たち。天が崩れても原則を守って民の生を抱きしめ、
道徳と良心のために全ての栄誉を未練なく捨てた士大夫精神が、今こそ必要だ。」
私たちは今、政治・経済・教育の価値体系が動揺して浅薄な権謀術数・腐敗が蔓延
する偽装時代に生きている。大義のために命をかけて欲を捨てる士大夫精神、即ち
韓国精神を、切望する。 【コ・ジョンイル / 小説家】
▽ソース:文化日報(韓国語)(2009-03-07 09:30)
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