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アメリカの最新鋭戦闘機「F-22」をめぐる環境が風雲急を告げています。（動画あり）
現在、「世界最強」といわれるアメリカの最新鋭戦闘機「F-22」をめぐる環境が、風雲急を告げています。
空の覇権を懸けた中国との争いで、極東における存在感が増す一方で、その莫大(ばくだい)なコストから、生産の
継続に黄色信号がともり始めました。
アメリカの最新鋭戦闘機「F-22A ラプター」は、超音速巡航性能やステルス性を持ち、世界最強とうたわれる戦闘機。
極東の戦略拠点の1つであるグアムで2月、日米共同演習が行われ、日本からは、戦闘機や早期警戒機などが参加した。
さらにアメリカは、沖縄でもラプター12機を展開し、今、極東での動きを活発化させている。
軍事評論家の岡部いさく氏は「極東の軍事力バランスは、冷戦後、ずっとアメリカが“支配的存在”だったんです。しかし、
近年、中国が装備の近代化や増強を進めていて、それをアメリカは、中国からの挑戦と受け止めているようです。です
から、今回の最新のラプターの展開というのも、中国へのけん制という意味があるんじゃないでしょうか」と語った。
岡部氏は、グアムの演習でラプターと同時に参加した「F-16 アグレッサー」に注目している。
岡部氏は「このF- 16 アグレッサーは、空中戦訓練で、アメリカ空軍の想定する敵機の役目を果たしている。特に、青い
塗装パターンは『フランカー』と呼よばれていて、フランカーといえば、中国空軍の使っている『Su-27』や『Su-30』のコード
ネームで、それをまねしてるわけですね」と話した。
中国の国防費は、20年連続2けたの伸びを記録している。この数字は不透明な部分が多く、実際にはもっと多いといわれ
ている。
さらに、中国は、最新鋭の戦闘機を次々と導入し、装備の更新と拡充を繰り返し、また、空母艦隊の編成を目指し、近海
型から外洋型へと拡大を進めている。
中国国防部の総装備部は「わが軍の全体的なレベルは、先進国と比較すると大きな差がある。いまだ、完全に国家の
安全を保守するのに適応できていません」と述べた。
こうした軍備強化の中、近年、中国は日本近海で、潜水艦や駆逐艦などの活動を展開している。2008年10月には、初め
て津軽海峡を中国海軍の駆逐艦が通過した。
さらに中国は、頻繁に海洋調査船による海洋調査活動を行っており、2008年12月には、尖閣諸島付近の日本領海に侵入
した。ラプターは、緊張が高まる極東に展開し、存在感を増している。この戦闘機には、日本も興味を示している。
民主・前原誠司議員が「“制空権”、“制海権”を保っていくためには、それなりの装備というものをしっかりと持たないといけ
ない」、「F-X(次期戦闘機) の選定をしっかりと、国益の観点に立ってやるというところを、しっかりとお話をしていただきたい」
などと述べると、浜田靖一防衛相は「F-Xの選定については、適切な時期に判断していきたいというふうに思っております」
と述べた。
今、航空自衛隊は、旧式化した「F-4EJ」に代わる戦闘機の選定が、差し迫った課題となっている。ラプターも候補の1つだが、
今、大きな岐路に立たされている。
およそ53兆円の国防予算を計上したオバマ大統領は、概算要求より9%近い削減をし、ブッシュ前政権の「聖域」に切り込む
姿勢を見せた。
オバマ大統領は26日、「前政権から受け継いだ1兆ドルの赤字を解消するには時間がかかる。欲しいものでなく、経済回復
させるものに焦点を合あわせないといけない」と述べた。
財政がひっ迫する中、ブッシュ政権では、1機およそ130億円ともいわれるラプターは、生産停止の方向性が打ち出されていた。
しかし、雇用対策の面などから、アメリカ議会の3分の1以上議員が、オバマ大統領に生産を継続するよう書簡を提出した。
ラプターの生産を継続するか否か、3月1日という法律上のタイムリミットが迫っている。
岡部氏は「F-Xを選定する日本としても、この決定は注視せざるを得ないですね。ただし、ラプターは、機密技術がたくさん
使われていて、輸出が禁止されているんです。生産が継続されても、輸出が解禁となるかどうか、ハードルはまだ高いで
すね」と語った。
極東の微妙な軍事バランスをめぐる日本のかじ取りが注目される。
沖縄テレビ/ＦＮＮニュース (02/28 01:47)
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