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差別なき共生社会実現に逆行
日本政府は現行の外国人登録に替わる新たな外国人在留管理制度法案を今国会に提出する準備を進めている。
同法案には「適法に在留する外国人の利便性向上を図る」という「外国人台帳制度」も担保されているが、これは副次的なものでしかない。
犯罪者対策や不法滞在者を取り締まることを目的に、外国人管理の精度をこれまで以上に高めており、
「差別のない共生社会の実現」を訴えてきた在日同胞への配慮を欠くものとなっている。
特別永住者も「身分証明書」
「新たな在留管理制度に関する提言」(第5次出入国管理政策懇談会、08年3月報告)は、約43万人を数える特別永住者について、
長年日本社会に生活していることから管理の対象とする必要がないとした。しかし、警察など治安関係者の反対にあい、
特別永住者も16歳以上に「身分証明書」を持たせ、なおかつ常時携帯させる案が有力だ。ただし、常時携帯義務や定期的な切り替え義務、
及び違反した際の罰則については明らかでない。なお、一般外国人の違反者については刑事罰の対象としている。
一般永住者は入管に届け出
一般永住者は再入国許可手続きの時以外、入管に行く必要がなかった。だが、新制度が導入されると、
わざわざ「身分事項」と「所属機関・派遣先等」を地方入管局に届け出なければならない。
都市部の入管局はいまでもたいへんな混雑ぶりなだけに、大きな負担増になる。対象となる在日同胞の一般永住者は約5万人近い。
外国人雇用で就職差別懸念
外国人を雇用している職場などには、個人単位で定期的、かつ随時報告するよう義務づけている。違反したときはペナルティーも。
早くも「零細企業がいちいち入管に届け出る手間をかけてまで外国人を採用するだろうか。
非常に憂慮される」という疑問の声が民団関係者から出ている。特別永住者も一般外国人と同様、就職差別を受けるかもしれない。
住民サービス除外の同胞も
現行の外国人登録制度は非正規滞在者とその家族も対象としている。このため、外国人登録を住民行政の基礎としている市町村は、
オーバーステイになってしまった人やその家族であっても、例外なく一定の範囲で住民サービスを行ってきた。新制度が導入されると、
入管から在留カードを交付されないため、市区町村から「見えない存在」とされ、母子保育・教育などの行政サービスを打ち切られる公算が強い。
在留資格のない子どもたちには就学通知も届かず、教育を受ける権利が阻害される。健康保険など医療問題も深刻だ。
■民団が是正申し入れ 公明党法務部会
民団中央本部は6日、呂健二副団長をはじめとする代表団が衆議院第一議員会館で公明党法務部会の主要メンバーを前に
民団として主要な懸念事項を伝えた。権益擁護委員会から崔聖植行政書士、婦人会から余玉善中央会長、青年会から金宗洙中央会長が加わった。
代表団は、日本で永住・定住している外国人に管理のための在留カードは不要と強調、
「住民として住民基本台帳の対象とするべきだ」とこれまでの基本的な立場をあらためて表明した。
さらに、常時携帯義務に特別永住者を含めようとの動きにも、99年8月の国会付帯決議の精神を踏まえるよう求めた。
さらに一般永住者の負担増、零細企業が外国人を雇わなくなる可能性、
入管で在留カードをもらえない非正規滞在者が排除される問題なども指摘しながら「生活に直結する」「死活問題だ」と、危機感を示した。
余婦人会長は「在日の4世、5世が誕生しているというのに、時代に逆行している」と不快感をあらわにした。崔行政書士は「現行制度で十分。(>>2以降へ続く)
在留カード導入でむしろ治安が悪化するのでは」と、専門家の立場から懸念を表明した。
ソース:(2009.2.18 民団新聞)
URLリンク(www.mindan.org)