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グローバル経済危機の中、不良資産を整理する「バッド・バンク」の役割が新たに注目される中、
「韓国版バッド・バンク」である韓国資産管理公社(以下KAMCO)が再び注目を集めている。
KAMCOは通貨危機の当時、米整理信託公社(RTC)に倣って作ったものだが、RTCが廃止
されたことを受け、いまや全世界で数えるほど少ないバッド・バンクの一つである。
●11年ぶりに戻ってきた特急示談屋
昨年12月基準の国内銀行の不良債権の保有比率は1.11%と1%を上回り、不良債権の整理の
必要性が強まっている。米銀行の不良債権比率(2.23%)に比べれば、依然低い水準だが、
最近、延滞率が急増していることを考慮すれば、先に取り組むべき時期にきていることになる。
韓国経済を飲み込む「火魔(不良)」を処理する「消防士(不良整理の機関)」の役割をKAMCOに
任せるべきだという政府内外の意見も、このような背景から出たものである。
昨年の初め頃はKAMCOの廃止を主張していた国会も、昨年末、KAMCOに400億ウォンを
追加出資するよう認めるなど、不良整理過程でKAMCOの役割は強まりつつある。
KAMCOは13日、金融機関の当局者らとプロジェクト・ファイナンス(PF)貸出債権の買い付けの
ための初会議を開き、全ての金融圏を相手に、PF貸出買い付けの交渉に入った。
KAMCOはまた、内部での分析を経て「最善、最悪、普通」の3つのシナリオで経済危機が展開
されると見込んで、状況ごとの対策をまとめた。金融圏の不良規模が70兆ウォン台まで膨れ
上がりかねないという一部の警告が現実のものとなれば、KAMCOの役割は一段と強まらざるを得ない。
●通貨危機ほどの主導権は容易でない模様
1998年、韓国の状況は惨憺たるものだった。外貨保有高は底を突き、大手企業の不渡りが
相次ぐなど、建国以来最大の経済危機に直面した。
政府が不良債権処理の専従機構としてKAMCOを立ち上げたのは、実体経済を支援する金融会社の
健全性の確保が急務だと判断したためだ。
当時、KAMCOは債権発行や金融会社の拠出金で造成された不良債権の整理基金39兆4000億
ウォンを運営しながら、111兆ウォンに上る不良債権を引き受けた。大手企業の不渡りで揺らいでいた
各銀行では、KAMCOの不良整理のおかげで、「クリーン・バンク」へと生まれ変わった。
しかし、KAMCOが通貨危機の時のように、大規模の公的資金を根幹とする不良整理の全ての
責任を引き受ける可能性は低い。
なにより、不良債権引き受けの主導権をKAMCOが握ることは容易ではない。通貨危機当時、
シン・チュンテ氏をはじめとするKAMCOの引き受け戦略チームは、危機的状況だということで、
債権の評価を迅速に行うことができた。
しかし、今は各銀行の債権評価手法がKAMCOのレベルにまで達している上、当時ほど銀行の状況は
緊急を要しておらず、KAMCOの価格交渉力はかつてよりは落ちるのが現状だ。不良債権の整理に
政府財政を果敢に投入することも容易でないことも、もう一つの変数となっている。
●「きめ細かな不良測定」がカギ
KAMCOが最近、不良債権の処理に積極的な姿勢を示しているのとは異なり、米国ではバッド・バンク
の設立が白紙化され、「バッドバンクは果たして有効な不良整理策なのか』という疑問が膨らんでいる。
米国では不良債権の価格を算定する主体がはっきりしておらず、銀行が不良資産を安価で処分した後に
生じる資本の食い込み問題を、誰が解決するかについてのコンセンサスがとられていない。
これは韓国も同様だ。すでに、各銀行に経営の面で口出ししないことを条件に、資本充実ファンドの
支援を決めているため、大規模な公的資金を投入して、銀行の財務健全性を保全するのは容易ではない。
これについて、李哲徽(イ・チョルフィ)KAMCO社長は、「KAMCOが二の足を踏んだり、ためらうことに
なれば、金融危機の炎は国家経済全体へと広がりかねない」とし、「スピード感のある不良整理が
求められる時、KAMCOの役割は再び大きくならざるを得ない」と強調した。
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