09/02/10 15:17:47 9ECFXLRH
>>318 >>319
昔の農家には囲炉裏がありましたね。この床下2間(約3.6m)四方に
すり鉢状の大きな穴を2つ掘りまして、そこに稗穀、藁、枯草等を敷
き詰めて、肥沃な土と一緒に鶏や蚕の糞を入れます。それらを交互
に積み重ねた後、一番上から貯えておいた人間の小便を大量にかけ
、土をかぶせて発酵させるのです。5~6年後には塩硝土というもの
ができますから、これを土桶という檜作りの桶に移し、上から水を
満遍なくふりかけ、一昼夜かけて出てきた濾水を釜で煮詰め、草木
灰を加えて濾過してまた煮詰め、木綿で濾し、自然乾燥させますと
灰汁煮塩硝(あくにえんしょう)というものができるわけです。こ
れを数度精製を繰り返し、できた塩硝を加賀藩へ納めた。
すなわちその生成メカニズムは、蚕糞や鶏糞、人尿に含まれている
尿素(CO(NH2)2)が土壌中の微生物の作用を受けて脱炭酸されて
アンモニア(NH3)となり、これが酸化されてまず一酸化窒素(NO)
となります。さらにこれが酸化されて過酸化窒素(NO3)となり、
これに水がついて硝酸(HNO3)になるんです。一方、植物や草木灰
には多量のカリウム(K)が含まれていますから、これが発酵によっ
て組織から離れると、硝酸と結合し硝酸カリウム(KNO3)ができる
という、実に綿密に計算された高度な化学です。
ご参考までに。