09/02/08 11:00:12
【北京=平岩勇司】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の亡命につながったチベット動
乱から50年となる3月10日を前に、中国当局がチベット自治区などで弾圧や監視を強化して
いることが、現地関係者の話で分かった。市民らはチベット仏教の正月となる今月下旬に弾圧
犠牲者の「喪に服す」行動を取り、抗議の意思を示す考え。3月10日には大規模な抗議行動
や暴動が再燃する可能性もあり、現地の情勢は緊迫している。
関係者によると、区都ラサ市では今年に入り、大量の監視カメラが増設され、重装備の武装
警察が巡回。僧侶らの抗議行動が暴動に発展した昨年3月と同レベルの厳戒態勢を敷いてい
る。
1月には自治区東部の昌都県で「チベットに自由を」とスローガンを掲げた3人の若者が逮捕
され、1人が取り調べ中に死亡。ダライ・ラマをしのぶ歌を聴いた女性が「反動的」と逮捕される
など、大量の市民が拘束されているという。
昨年の抗議行動で逮捕された市民も、見せしめ的に次々と実刑判決を受けている。抗議に参
加した市民が射殺された四川省アバチベット族・チャン族自治州では、司法幹部の女性(30)
が「暴動で死者が出た」と知人にメールを送ったことで懲役5年の判決を受けた。
これに対しチベット市民らの間では、チベット仏教で正月となる今月25日、抗議のため新年
を祝う行為を自粛する動きが進んでいる。アバ自治州では漢民族らの春節(旧正月)だった
1月下旬、民族衣装を着た約1000人の市民が寺院で無言の座り込みをした。
この動きを「敵対行為」とみなす当局は、チベット人居住地域で新年を祝う爆竹を無料で配り
「新年を祝福しなければ拘束する」と指示した。
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