09/02/02 00:05:17
◆氷海に挑む「科学韓国」(上)(中)(下)
極地研究用の砕氷船アラオン号、南極・北極の厚い氷を打ち破り、韓国の基地に物資補給
世界最高の「浮かぶ研究室」、2003年から開発、今年6月に試運転
釜山港にある韓進重工業影島造船所。韓国初の近代的な造船所にして
東洋で初めてメンブレン型(船倉が球体ではなく直方体)液化天然ガス(LNG)運搬船が建造された場所だ。
ここで、また一つ「韓国初」が誕生する。極地研究所の砕氷研究船「アラオン号」だ。
国土海洋部が2003年から1040億ウォン(現在のレートで約66億円)をかけて開発したアラオン号は
今年6月の試運転を経て、来年から南極・北極の厚い氷を押し分け韓国の基地に物資を補給し
極地研究を行うことになる。氷で覆われた海の上に、全長111メートルの巨大な「浮かぶ研究室」が登場するわけだ。
◆氷に乗り上げて押し割る
「アラオン」とは、海を意味する韓国語「アラ」と、全部を表す「オン」を付けて作った名前で
全世界の海をめぐる、という意味が込められている。現在、船体工程の80%程度が終わった段階で
研究用装備の取り付けなど内装工事の仕上げの真っ最中だ。
「商船は、貨物の積載空間を増やすために船の前方下部が前に丸く突き出ています。
しかし砕氷船は、氷を割らなければならないので尖っています」
韓進重工業のチョン・ボクファン首席設計員が指差したアラオン号の船体前部は
今でも氷に向かって突撃するかのように鋭くなっている。
チョン首席設計員は、「商船は前の鉄板の厚みが14ミリに過ぎませんが
アラオン号は氷とぶつかる衝撃に耐えるため、39.5ミリもあります」と語った。
しかし、むやみに氷にぶつかっていくわけではない。
砕氷するのが難しければ、船首を氷に載せ、その重みで押さえ込んで割ることもある。
これは、精巧な重心移動技術のお陰だ。アラオン号の船底には、水タンクが幾つもつながっている。
前のタンクの水を後ろに移せば、船首が軽くなり、持ち上がる。
いったん船首が氷の上に載ると、船尾に移した水を再び前に送り、氷を押さえ込んで割ることができる。
砕氷船は、万が一氷に閉じ込められても心配ない。その場合、船体を左右に揺さぶり、脱出することができる。
船底で、左右どちらか片方に高圧の空気を噴き出す。そうすると、タンクの水が空気とは反対側に移り、船がその方向に傾く。
同じ方法で、反対側に船体を傾けることもできる。砕氷船が片側に傾いた後、水平に戻すときにも、同じ方法が用いられる。
砕氷船は商船とは異なり、電気モーターで進む。海で研究を行うときは騒音をなくさなければならず
加えて出力の調節が自由にでき、船体の位置を細かく調節しやすいからだ。
(中略>>2-以降に転載)
◆研究用としては世界最高水準
アラオン号は排水量6950トンで、外国の船に比べ大きい方ではない。
しかし、60種類余りの最先端の装備を備え、研究能力の面では世界最高水準だ。
カナダが、北極基地を提供する代わりにアラオン号を使わせてほしい、と要請してきたのもこのためだ。
船底には、音波で海底地形や地質を把握し資源を探し出すセンサーが付いている。
さらに、海流の動きや魚群の移動状況を3次元で把握するセンサーもある。
船上には大気を分析する装備があり、海に網や収集器を降ろして海洋生物や土壌サンプルを採取することができ
塩分の変化を把握することもできる。
海洋研究院が開発した深さ6000メートルまで潜れる探査潜水艇「海未来」と
5トンの貨物を空輸できるヘリコプターも搭載し、空から深海に至るまで広範囲にわたって活動を手がける計画だ。
ソース:2009/02/01 10:59:08
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画像:
「氷を割るために、尖っています」。氷海を進むアラオン号の船首部分。現在、韓進重工業影島造船所で建造されている。
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アラオン号諸元
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