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検察捜査は次にどこへ斬り込むのか。東証1部上場の準大手ゼネコン「西松建設」(東京都港区)の
裏金疑惑は経営トップ逮捕に発展。会社ぐるみで蓄えられた裏金約10億円の使途に重大な関心が
集まる。関係者の話などを総合すると、東京地検特捜部の捜査は(1)海外工事受注のための贈賄
工作(2)日本政界へのトンネル献金(3)原発利権の確保のための資金提供-という3つの疑惑の
解明に向いているようなのだ。
「社長指示なければ1円の裏金も動かせず」
昨年11月、香港のペーパーカンパニーの口座にプールしていた裏金の一部を横領したとして元
海外事業部副事業部長の高原和彦容疑者(64)が逮捕された事件は、年が明けて急転直下の
動きを見せた。
海外でつくった裏金計7000万円を税関に無届けで国内に持ち込んだとして、東京地検特捜部は
1月14日、外国為替及び外国貿易法(外為法)違反容疑で、元副社長である藤巻恵次容疑者(68)や
高原容疑者ら4人を逮捕。
その6日後には、経営トップである前社長の国沢幹雄容疑者(70)までも逮捕に踏み切ったのだ。
西松建設では国沢容疑者逮捕の直前、緊急の取締役会を開き、それまで社長だった国沢容疑者の
辞任を認めた。逮捕はその直後の午後8時ごろ。現職社長の逮捕を避けたい西松経営陣の狼狽ぶりが
手に取るように分かる。
関係者によると、国沢容疑者は、社長に就任する平成15年まで8年にわたり、裏金工作を担当して
きたとされる「管理本部」(旧事務本部)の本部長を務めていた。
「国沢社長の指示がなければ、1円たりとも裏金を動かすことはできなかった」
西松元幹部はそう証言している。特捜部は、社内で「経理のエキスパート」と評され、資金の流れを
熟知してきた国沢容疑者が、社長就任後も裏金づくりを主導し、使途についてもトップダウンで具体的
に指示を出していた-との見方を強めているようだ。
タイで2億数千万円の贈賄工作か
問題は西松にひそかに蓄えられていた巨額裏金の使い道だ。 裏金と呼ばれる以上、その使途には
違法な匂いが漂う。
その疑惑の1つが海外贈賄工作。具体的に言えば、タイの大型工事受注を狙った贈賄疑惑である。
舞台の公共工事はバンコク中心部の運河の氾濫(はんらん)防止を目的に、運河の水を抜く全長
約5・3キロのトンネルを建設するというものだ。バンコク都庁から発注され、2003(平成15)年7月に
西松を含めた3つの共同企業体(JV)の間で競争入札が行われ、西松のJVが約70億円で落札した。
関係者の話では、入札に絡み、西松JV側からバンコク都庁首脳らに約3億5000万円、有力者らに
1億円以上のリベート計4億数千万円が流れた。この際、西松はJVを組んだ現地の建設会社とリベート
負担を折半することで合意し、2億数千万円を拠出したという。この原資が裏金だというのだ。
これが証拠上も裏付けられれば、西松のこの行為は、外国公務員への贈賄行為を禁じた不正競争
防止法違反に当たる。
この立件には、タイ検察当局の協力が不可欠だ。 特捜部は昨年バンコクに検事を派遣し、捜査
協力を要請している。
続く
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