09/01/29 00:00:14
北方4島住民に人道支援物資を届けようとした外務省職員らに対し、ロシア側が出入国カードの
提出を求めていた問題で、政府は28日、物資提供を取りやめ、職員らが乗ったチャーター船を
引き返させることを決めた。日ロ両政府は、解決に向けて話し合いを続けることで一致したが、
ロシア側の対応次第では、「ビザなし交流」が中止に追い込まれる可能性も出てきた。
チャーター船は27日未明、注射器やガーゼ、血圧測定器などの医療用品(総額1280万円相当)
を積み、北海道の根室港を出発。国後島沖合に停泊中に、両政府間で交渉したがまとまらず、
物資提供を断念した。同船は29日に現地を離れ、根室港に引き返す。
ビザなし交流は、日本人と4島のロシア人住民が旅券や査証(ビザ)なしで相互訪問する枠組みで、
1992年にスタートした。これまで日本人は身分証明書だけで上陸でき、出入国カードの提出を
求められたことはなかった。
しかし、ロシア側は今月23日、「法改正により出入国カードが必要になった」と通告。4島の実効支配を
アピールする狙いとみられるが、日本側は「北方4島はわが国固有の領土であり応じられない」と反論。
流氷が近づいてきたため、調整がつかないままチャーター船を出港させた。
外務省の武藤顕ロシア課長は28日午後、ロシア大使館の担当者を同省に呼び、「遺憾の意」を伝達。
ただ、事態打開を目指して協議を続けることは確認した。兒玉和夫外務報道官は同日の記者会見で、
「カード提出を一方的に要求してきたため、中止せざるを得なかった。ロシア側の対応は理解に苦しむ」
と批判。同時に「北方領土問題の解決を含む平和条約交渉に影響を及ぼすことがあってはならない」と述べた。
ソース:時事ドットコム
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