09/01/27 23:50:18 OCHewaBt
隠岐出身の人なら知っているかもしれないが
日本海には昔から「海納娘(かいなこ)」と呼ばれる妖怪がいる
その昔、海神様への人身御供として海に身を捧げた乙女の霊が
物の化に転じたものである
見目麗しき乙女の姿をしていて、海を行く漁師達に悲しい声で
「こっちゃ来ぅ、こっちゃ来ぅ」と呼びかけるのである
最初はどこから声がしているのか分からずとまどうが、
声のするほうに行くと、波間から顔を出して手招きをしている
だが、それ以上は近づけども近づけども近づけず、遠ざかろうと
しても遠ざかれない。そのうち波風が高くなり、海は渦巻き
飲み込まれてしまう
恐ろしい存在だが、悲しい物の怪でもある
漁師達はこの悲しい物の怪を鎮めるため、竹島に小さな祠を建て
「かいなこ神社」として毎年旧正月に御祭をして慰めていたそうだ
今でも民謡に「かいなこかなしや さてもかなしや 風の吹く日にゃ
泣く声がする 耳よせてみぃ 耳よせてみぃ かなしやかなし かいなこの声」と
うたわれている
日本妖怪百選にも掲載されているが、水木先生の絵がまた微妙に似合う
寂しげな立ち姿は一見の価値があるかもしれない全部ウソだけどね