09/01/23 10:31:42
>>1の続き
与党内などから今後、日本側の負担がどこまで膨らむのか分からないという批判が出たことを受
けて、政府は20年3月で処理機構との契約を打ち切るとともに事業計画を再検討。「ハルバ嶺の巨
大施設建設には合理性がない」と判断し、当面の事業凍結と事業規模の縮小方針を決めた。
担当室では今年1月から3カ年の予定で再調査の試掘を開始。調査の結果、機械での回収に適さ
ないと判断した場合、手掘りによる回収に切り替えれば、少なくとも発掘回収施設の建設費940億
円が不要になると見込んでいる。
一方、中国各地の小規模発掘事業では、建設現場など40カ所以上で出土した砲弾約4万6000
発を回収し、約20カ所に貯蔵している。安倍晋三首相(当時)は19年4月、中国の温家宝首相との
首脳会談でこれらの砲弾の無害化処理に「移動式処理設備」を導入することで合意した。
この移動式処理設備が効率的に運用できることが分かれば、ハルバ嶺での処理プラントも不要に
なる可能性もあるため、小規模事業を先行させた方が事業効率がはるかに高いという。
担当室は22日、移動式処理設備を入札し、神戸製鋼が30億円で落札した。移動式設備はトレー
ラー数台に機材を分乗し各地を巡回しながら処理作業を行う予定で、22年に南京での初稼働を目
指す。費用は4年間の運用費込みで106億円を計上している。
政府はこれらの事業方針転換で、信頼回復を図りたい考えだが、これまで投入した事業費との整
合性を問われる可能性もある。また、ハルバ嶺事業凍結により、化学兵器禁止条約で定める24年
4月の期限までに処理が終わらないのはほぼ確実となり、この点でも批判が上がる恐れもある。