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準大手ゼネコン「西松建設」（東京都港区）が海外事業で捻出（ねんしゅつ）した裏金の一部を、
タイ・バンコクの都庁が発注した公共工事を受注するための工作費に充てていた疑いが強い
ことが、同社関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、裏金の使途について、元副社長の
藤巻恵次容疑者（６８）＝外為法違反容疑で逮捕＝らを追及するとみられる。
一方、タイ下院の汚職防止委員会は１５日、記者会見し、「西松建設から当時のバンコク知事ら
都庁幹部１０人に総額約４億円のわいろが提供された疑いが強い」との見解を示した。特捜部も
外国公務員への贈賄を禁じた不正競争防止法に抵触する可能性があるとみて、タイの捜査当局
に協力を求めるなど慎重に捜査している模様だ。
タイ側の発表や調査報告書によると、問題となっているのはバンコク中心部に洪水防止用の
排水トンネルを建設する工事。０３年７月、西松建設が参加した共同企業体（ＪＶ）が約６３億円で
落札した。
約４億円はこの入札前後に都庁幹部側に提供された疑いがあり、一部の幹部は工事を巡って
不正があったことを認めているという。また、タイ当局は昨年、特捜部から捜査資料の提供を
受けているといい、現地の贈収賄容疑での立件が可能かどうか検討している。
毎日新聞 2009年1月16日 東京朝刊
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