09/01/12 09:08:37
【外信コラム】台湾有情 日本語世代の憂い
台湾には日本の短歌や川柳に思いを託す、いわゆる日本語世代の人々がいる。
日本統治時代に日本教育を受け、敗戦から半世紀あまりを経た今もなお、日本との
結びつきを大切に暖め、自らを「元日本人」と呼ぶ人たちだ。
「若い日本人が尋ねてくると、私は決まってこう話す。あなたたちは『日本精神』をもって
いない日本人。私は『日本精神』をもっている台湾人だ、と」。
昨年12月、短歌を愛する日本語世代が集う「台湾歌壇」の創立40周年を祝う式典で
こう話し、拍手喝采(かっさい)を浴びたのは、台湾紙・自由時報の呉阿明董事長。
奇美電子創設者の許文龍氏も「日本文化が台湾に根付いていることを若い世代に
知ってほしい」とやった。
許氏は名器のコレクションで知られるが、ストラディバリウスで「赤とんぼ」や「ふるさと」
を弾く実業家は他に類を見ないだろう。この日は日本人がつくったビオラを持ち出し、
「浜辺の歌」から「蛍の光」まで懐かしの童謡など約20曲を披露。100人近い出席者の
大合唱とともに、心にしみいるハーモニーを奏でた。
会の代表で「老台北」として知られる蔡焜燦氏は「これが台湾なんだよ」。
「しみじみと今でも浮かぶ終戦日」
「独立をしたい台湾白昼夢」
年明けの「台湾川柳会」で詠まれたこの句にも、日本語世代が抱く憂いがにじむ。
(長谷川周人)
ソース:産経新聞
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