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【ソウル11日小出浩樹】韓国の社団法人「全国漢字教育促進総連合会」は、かつては広く
使用されていた漢字の教育を小学校の正規科目に取り入れるよう、政府に申し入れたことを
明らかにした。音だけを表す韓国固有の文字ハングルだけでは、特に学術用語など抽象語の
理解の妨げになるとの批判が強い。
申し入れ書は「ハングルだけを使う誤った政策により、韓国人の文化生活は1997年の
アジア通貨危機よりもさらなる危機に直面している」と指摘。漢字をハングルとともに「国字」
として教育するよう、金鍾泌(キムジョンピル)氏ら歴代首相20人の署名を添え、大統領府に
提出した。
関係機関によると、韓国社会から漢字を追放してハングルだけとする政策は、朴正熙
(パクチョンヒ)政権(1963‐79年)を中心に推進。(1)日本植民地時代の日本語教育への反発
(2)独立後の漢字識字率の低さ‐などが理由とみられている。
もともと韓国語の7割は、「新鮮(シンソン)」など漢字を韓国語読みする漢字由来語。混乱や
騒乱などは、「乱」の意味を知っていれば熟語の意味を想起できると指摘される。
大企業の就職試験にも出題されることから、漢字検定試験の受験者は年々増えており、
今回の申し入れが「皆ハングル社会」を見直すきっかけになるか注目される。
=2009/01/12付 西日本新聞朝刊=
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