09/01/11 21:14:55
■韓国にも「チャンポン」 長崎から渡った?スープ真っ赤
長崎名物と言えば、チャンポン。ところが、海を隔てた韓国・釜山にもチャンポンがあると聞いた。同じもの?
それとも全く別? 現地で食べてみた。
釜山駅の近くの中華街。十数軒ある中華料理店のほぼすべてで、チャンポンが食べられるという。長崎市
釜山事務所長の佐々木康夫さん(56)が紹介してくれた人気店「中南海(チュンナンヘ)」のメニューには
「炒碼麺」とあり、ハングルで「チャンポン」とルビがふってあった。1杯5千ウォン(約360円)。
テーブルに並んだのは、スープの色が全く違う2杯。一つは長崎のものに似ているが、もう一つは真っ赤だ。
長崎に近い方を食べてみた。あっさりとしたスープだが、ニンニクが利いていて、長崎のものとはちょっと違う。
めんはつるっとしたのどごし。エビやイカ、かまぼこ、タマネギ、タケノコ……。キャベツではなく、白菜を使い、
干しナマコやフグ、マツタケも入っている。
赤いスープの方も、ひと口。辛い。思わずせき込み、汗が噴き出した。社長兼料理長の衣建柱(ウィ・コンチュ)
さん(52)によると、材料をいためるときに、レンゲ2杯分ほどの粉唐辛子を入れるという。客は二つの味
から選べるが、韓国人の8割が辛い方を注文する。「韓国ではチャンポンは辛いものと思われている」
衣さんの父は中国・山東省から韓国に来て、ソウルの近くで中華料理店を営んでいた。チャンポンは、衣
さんが幼いころから作っていた。衣さんは「山東省から韓国に来た華僑がその後、長崎に行ってチャンポン
を広めたのでは」と話す。
だが、チャンポンは長崎発祥が定説だ。長崎市松が枝町の中華料理店「四海楼」の創業者、陳平順さん
が1900年ごろ、中国人留学生のために知恵を絞って考え出したとされている。ひ孫で4代目社長の優継
(まさつぐ)さん(43)は「チャンポンは福建料理がルーツ。韓国にもチャンポンがあるのは知っているが、
似て非なるものでしょう」。韓国から来た旅行ガイドからも「長崎が発祥だと、みんな知ってますよ」と言わ
れたことがある。「チャンポンという呼び方も長崎でできた。それが韓国に渡ったのでは」と推測する。
衣さんも「長崎が発祥の地」と耳にしたことがあるという。その上で「どっちが先かは重要じゃない。同じ
ような材料をコックの前に並べたら、その国の人の味覚に合わせた同じような料理を作るでしょう」と話す。
「でも、有名な長崎のチャンポンを一度食べてみたいね」(伊東聖)
▽ソース:朝日新聞(2009/01/11 13:14)
URLリンク(www.asahi.com)
▽関連サイト:Wikipedia韓国語版「チャンポン」
URLリンク(ko.wikipedia.org)
~ チャンポンの由来 ~
●日本の長崎由来説
日本では、 19世紀末に長崎地域で、中国人料理師である四海楼創業者の陳平順が作ったと伝えられ
(1899年と推定)、長崎の郷土料理としてよく知られている。<中略>
●韓国の仁川由来説
韓国では、山東省出身の中国人が多く居住していた仁川(インチョン)で、韓国人の好みに合わせてジャー
ジャー麺とチャンポンの甘さと辛さをそれぞれ更に発展させた。特にチャンポンの場合、その時々で簡単
に入手できる様々な原料を混ぜて作ったため、韓国語では「チャンポン」という言葉が「様々なものを混ぜ
て作ったもの」という意味を持つようになった。こうした「チャンポン」という言葉の用法は日本でもほぼ同じだ。
時期的に見れば、日本の長崎地方と仁川の済物浦港(1883年開港)は同時期に中国人の集団移住が
行われた。また、2つの港には釜山を経由する海路が開かれていた。このため、両港の中国人移民者
たちが新しい料理のように紹介したのは自然な結果だった。以後、日本植民地時代を経て、チャンポン
という呼び名で日本と韓国に定着した。
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