09/01/04 10:01:44
>>1 の中略部分
もともと日米同盟には危うい側面がある。安保条約は太平洋戦争の勝者と敗者の同盟だ。安全保障
の根幹を米国に任せ、日本国内で広大な米軍基地の運用を認めるという特殊な状況は、戦争に負けた
のだから仕方がないというあきらめや、軍備にカネをかけず経済発展できるのは結構なことだといった
主張も背景に維持されてきた。
しかし、開戦に至る経緯や原爆投下、東京裁判などをめぐって、米国へのわだかまりや日本内部の対
立が今も残り、時には表面化する。航空自衛隊のトップが、粗雑な米国陰謀説を含む論文を発表した昨
年の事件は、その一例だろう。
表に出ない場合もある。ブッシュ大統領は日本の真珠湾攻撃と9・11テロを同列に扱う発言を続けた。
不快に思っても日本人はおおむね沈黙した。学校での近現代史教育を難しくしている重要な一因は日
米関係のこういう悩ましさである。
一方、米側から見ても日米同盟は盤石ではない。安保条約による軍事面での統合が深まる一方、同
盟を支える政治、経済、文化の人的ネットワークはひどく劣化した。中国系米国人が日系の3倍以上に
増えた。日本の影響力も米国からの関心も希薄化している。日本研究でライシャワー元駐日大使の弟
子にあたるケント・E・カルダー氏の近著「日米同盟の静かなる危機」(渡辺将人訳、ウェッジ刊)の指摘である。
そういえば、ワシントンで会った日本語に堪能な米国人青年は、希望するレベルの就職先が少なくて
困っていた。中国の爆発的な経済成長と米中交流の急拡大を背景に、中国専門家なら良い条件のポス
トがいくらでもあるという。「日本研究を専攻したのは失敗でした。先見の明がありませんでしたね」。日
本語でそう言って、苦笑いした。
以上。