09/01/03 09:09:46 ft30NX9D
ちょっと説明ね。
まず、国際的な航行規則から言って、「動力船が非動力船を避けるのは当然」っつー
法解釈は無謀。
非動力船が衝突する、っつーことは、その非動力船は制御の無い状況であって、その
制御の無い状況を作り出した原因を処罰すべきであるのは当然。
また、動力船であっても、状況次第で非動力を要求されるわけで、繋留中、錨泊中は
その典型ですな。
さらに、大型タンカーは動力航行中でも、操船困難であり、国際法規では大型タンカー
は曳航中の曳き船、帆走中の帆船などに準ずる扱いが最近の主流ですな。
現実問題として、大型タンカー等の燃料である、C重油は、常温で半個体に近い性状
であり、機関始動には余熱を必要とします。さらに、現在の主原動機は、直結方式が
主流であり、エンジンを始動するためには、同時に錨泊状況の変更も行う必要があり
ます。また、通常、錨泊状態から動力航行状態に移行するためには、その海域を管理
する主管庁の許可と水先人の乗船を要求されます。今回は緊急避難であるから、それら
の手続きは省略したとしても、船首ウインドラスへの配置最低4名、機関部配置4名、
船橋配置3名の人間が必要で、機関始動に最短で20分、錨の巻き上げは秒速20Cm程度
ですから、動きだすまでに1時間以上を見込まなければなりません。
さらに今回の状況では、タンカーはほぼ満載状態であり、吃水が15mを超えていたと
しても驚きません。このタンカーの錨泊地は周囲に浅い部分が点在する海域で、水深の
確認なしで動かせば、座礁の恐れがあります。
少なくとも、少しでも船に関わった人間には、韓国司法がこのタンカーにどうすべき
だった、と言いたいのか、理解不能です。