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【紙面批評】学習院大学名誉教授・藤竹暁
2009.1.15 08:19
■既成事実化進む「対馬問題」
麻生太郎首相が11、12の両日、韓国を訪問し、「シャトル首脳外交」を
行い、世界的な経済危機に対して、両国で緊密に連携することなどを決めた。
盧武鉉前大統領の反日・親北朝鮮路線によって冷え込み、また昨年7月に日本
が新学習指導要領解説書に竹島(韓国名・独島)を明記したことでぎくしゃく
していた日韓関係は、改善の方向へ一歩踏み出したと麻生首相は胸を張った。
産経は12日、麻生首相の訪韓を「経済危機が逆に関係を好転させたようだ」
と評したが、果たして成果は上がったのだろうか。
歴史・竹島問題の封印は、日本の将来に大きな禍根を残すことになると、私は
心配である。竹島問題は未来志向を優先するという考えから、首脳会談の議題か
ら外したことを、どう考えたらいいのか。シャトル外交をしながら懸案問題を封
印してしまうことは、既成事実化に目をつぶることではないか。
産経は先の記事で「韓国の景気が今後も悪化すれば、日本バッシングが再燃す
る可能性もある。竹島問題など両国間の懸案に解決の糸口が見つからないだけに
『薄氷の友好』と言えなくもない」と、警告を発している。産経の読者なら、昨
年10月から始まった特集記事「対馬が危ない!!」(東京本社発行版)を覚え
ているだろう。記事は第1回でこう書いていた。「韓国人観光客のなかには、自
国領土と本気で信じ込んでいる人すらいる。日本人が気づかない間に、対馬は、
安全保障、主権国家としての領土保全にかかわる深刻な事態にさらされつつあ
る」。韓国資本によって対馬の不動産が買い占められ、日本の要衝が侵食されて
いるからだ。
ところが麻生首相は同年10月21日、記者会見で「土地は合法的に買って
いる…人が買ったら悪いとは言えない」と述べている。こうした麻生首相の対
馬問題への姿勢からすると、今回の日韓首脳会談で対馬問題が外され、経済問
題一本に絞った事情もはっきりする。麻生首相は経済人的感覚で、政治をして
いる。これでは責任ある政治家として、日本の将来を見通すことはできない。目
前の経済危機という名目はもっとものように聞こえる。だが対馬問題は、日本の
主権にかかわるものである。この大問題を捨てたままでは、対馬問題の既成事実
化は進むばかりである。麻生首相の迷走は得意の外交にも及んでいる。
(東京本社発行最終版による)
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