【産経/正論】 「田母神論文問題の陰の主役―『村山談話』の空虚性を撃つべし」…国学院大学教授・大原康男[12/16]at NEWS4PLUS
【産経/正論】 「田母神論文問題の陰の主役―『村山談話』の空虚性を撃つべし」…国学院大学教授・大原康男[12/16] - 暇つぶし2ch1:依頼593@芝蘭φ ★
08/12/17 00:29:49
≪田母神問題の陰の主役≫
田母神前空幕長の論文問題は発生から2カ月近くになろうとするのに、まだ論争は収まりそうにない。
その論点も筆者の歴史認識に対する評価や政府のとった措置の妥当性をはじめとして、文民統制の
意義、自衛官の言論の自由、さらには論文応募の是非とそのタイミングからマスメディアの論調に至る
まで多岐にわたっており、保守派の中でも見解が分かれるが、これまでの論議を踏まえ、遅まきながら
も少しばかり私見を述べてみたい。それは今回の問題の陰の主役と言ってもいい「村山談話」について
である。

辻元清美衆院議員の質問主意書に対して11月14日に出された政府答弁書によれば、空幕長解任の
理由は「先の大戦に関する政府の認識と明らかに異なる見解が述べられている」ことが「不適切である」
とともに、「憲法に関連する重要な事項について不適切な形で見解を述べている」ことにあるという。

後者は、現状では自衛隊は領域警備も集団的自衛権の行使もできないとの批判に対してであろうが、
集団的自衛権については麻生太郎首相も見直しを示唆しており、単なる付け足しに過ぎない。もちろん、
問題は前者にあって、明言してはいないものの「先の大戦に関する政府の認識」が「村山談話」を指して
いるのは疑うべくもない。

≪定義できぬキーワード≫
周知のように、「村山談話」は、平成7年6月9日に衆議院でなされた“終戦50年国会決議”への不満
から、終戦の日にあらためて村山富市首相の談話として発表されたものであるだけに、「過去の一時期、
国策を誤り」「植民地支配と侵略」「多大な損害と苦痛を与え」「痛切な反省」「心からお詫(わ)び」といった
自虐一色に塗りつぶされた章句のオンパレードである。

この一面的かつ粗雑な歴史観についてここで論ずる余裕はない。何よりも強調したいのは、そうした歴史
認識の具体的な内容に立ち入るまでもなく、そもそも本談話が歴代内閣によって金科玉条のように墨守
されるほどの実体を有しているのかという根本的な疑念である。

ここでのキーワードの一つは「国策を誤り」であろう。「村山談話」の11年近く後に長妻昭衆院議員が出し
た質問主意書に対する政府答弁書(平成18年6月13日)は、驚くべきことに「お尋ねの『国策を誤り』に
ついては、個々の行為に対する評価等をめぐり様々な議論があるところ、政府として、その原因を含め、
具体的に断定することは出来ないと考える」と述べ、その判断を完璧(かんぺき)に放棄してしまった。
終戦60年に当たる前年の終戦の日に発表された「小泉談話」から「国策を誤り」がすっぽり抜け落ちて
いることと見事に符合している。

それ以上に重要なキーワードは「侵略」である。この語の定義について鈴木宗男衆院議員が提出した
質問主意書に対する政府答弁書(平成18年10月6日)でも「国際法上の侵略の定義については様々な
議論が行われているが、確立した定義があるとは承知しておらず、お尋ねについてお答えすることは困難
である」と答弁、同じように確固とした見解が出せないことを正直に告白している。

≪侵略も植民地も消えた≫
ここでふと想起するのは、“終戦50年国会決議”を最も熱心に推進した加藤紘一自民党政調会長(当時)
と決議案の内容について折衝したときのこと。私が「どうしても『侵略的行為』とか『植民地支配』という
言葉を入れたいのならば、それらが何を意味するのかきちんと定義してほしい」と求めたところ、
加藤氏は「われわれは学者じゃないから、そんなきちんとした定義は出さなくていい」と平然とうそぶいた。
「村山談話」のいい加減さはここから始まっていたのだということを再認識した次第である。

>>2以降に続く

ソース:産経新聞「正論」 村山談話の空虚性を撃つべし
URLリンク(sankei.jp.msn.com)
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