08/12/14 12:14:09
ソウル市江南区清潭洞にある韓国料理店「カオン」が12月末で閉店する。
同店を経営してきた陶磁器メーカー「広州窯」の趙太権（チョ・テグォン）会長は10日、
「2005年の開業以来毎月1億ウォン（約670万円）、1年で12億ウォン（約8000万円）を
超える損失が出た。これ以上赤字を出すのは無理そうだ」と話した。カオンは「韓国料理の
世界化」を目指し、昨年には米ナパ・バレー・ワイナリーの農場主60人を招き、
1億6000万ウォン（約1070万円）相当の試食会が開かれた場所だ。
もちろん、カオンの経営方式に問題があったのかもしれない。「料理よりも器のような
表面的な部分を重視していた」との指摘もあり、一人当たり4万5000－15万ウォン
（約3000－1万円）という価格設定にも「高すぎる」との意見が少なくなかった。しかし、
韓国でこれだけの実験を行う韓国料理店を失ったことは、韓国料理の世界化に向けた
小さな前線基地を失ったに等しい。
高価なスパゲティーは1皿で3万ウォン（約2000円）もするが、ビビンバ（韓国風混ぜご飯）は
1万ウォン（約670円）を超えても非難を浴びるのがわれわれの文化だ。材料価格が同じか
むしろ高い上、手間もかかるのが韓国料理だ。韓国料理の世界化を進めるという夢を
抱いていた料理人は結局、中華料理や日本料理に専門を変えることが多い。韓国料理店の
経営者は「国民が韓国料理の値段にとりわけうるさい」と口をそろえる。「安くて量が多い」と
いうのが韓国料理店を評価するほとんど絶対的ともいえる基準だ。趙会長は「欧米の高級
レストランの価格は一人当たり500ドル（約4万6000円）もするが、韓国料理は100ドル
（約9300円）にもならない」と話した。昨年10月に韓国に出店したフランスの有名シェフ、
ピエール・ガニェールが経営するパリのレストランはディナーの価格が一人当たり359ユーロ
（約4万3000円）だ。それでもフランス人は数カ月も前から予約を入れて心待ちにしている。
韓国料理店と料理人が「価値ある料理」を作ることに失敗したのか、あるいは客が「韓国料理は
安い」という偏見の壁を越えられないのか。その答えを探ってこそ、韓国料理の世界化が可能に
なるのではないか。
キム・ソンユン記者（エンターテインメント部）
朝鮮日報／朝鮮日報日本語版
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