08/12/13 01:30:56
国防部:仮想敵国は中華人民共和国であり、中国ではない
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国防部常務次長の黄奕炳は今日、立法院の答弁の中で、
台湾の仮想敵国は中華人民共和国であり、「中国ではない」と述べた。
中国には歴史面での中国、文化面での中国、地理面での中国、政治面での中国があるという。
立法院外交および国防委員会は午前、中国国民党籍の立法委員、蒋孝厳などが提出した
兵役法施行法第48条修正案の初審を行った。
国防部はこの修正法案に憂慮をしており、民主進歩党籍の立法委員も反対を表明している。
そのような状況の中、委員長の国民党籍立法委員、劉盛良は、協議後に再度審議することを
決定した。
蒋孝厳は提案説明の際、「現行の条文の規定では、大陸にいる台湾ビジネスマンの子供が
兵役の年齢に達すると、政府が許可した大陸地区に投資している台湾ビジネスマンの子供などの
規定に一致しない限り、大陸での学業を全て終わらせることができない(*1)」と述べた。
しかし、蒋孝厳によれば、「大陸にいる台湾ビジネスマンのうち
政府の許可を満たしている割合は低く、現在3,000人あまりの台湾ビジネスマンの子供が
兵役年齢に達していると見込まれ、大陸での学業の傍ら兵役の問題に直面している。
その上、時期が来ても帰らなかったことにより、妨害兵役治罪條例に抵触する恐れがある。
これらのことから、法律の修正を行い、大陸にいる台湾ビジネスマンの子供たちに、
国外就学関係規定を準用させることを主張する」という。
兵役法施行法第48条第2項の規定では、兵役年齢に達する前に出国し、
認められた外国の教育機関で勉強する者については、就学期間中にもし帰国しても、
国内に2ヶ月留まった後、再出国することが認められている。
民進党籍立法委員の蔡煌琅は質問で改正に反対することを表明したうえで、
「中国は台湾の敵国であるのだから、改正によって中国をその他の外国地区と
ほぼ同一視するようなことはしてはならない。中国の台湾に対する主権侵犯などの意図を
考慮する必要がある」と述べた。このほか民進党籍立法委員の蔡同栄も、
台湾の主権を傷つけることを恐れて改正に反対した。
黄奕炳常務次長は答弁の中で中華人民共和国は台湾の仮想敵国だと述べる一方、
「中国は我々の仮想敵国ではない」と答えた。
蔡煌琅が「中国は我々の仮想敵国だ」と述べると、黄奕炳は直ちに再答弁し、
「中国ではない、中華人民共和国だ」と答えた。
蔡煌琅が「中国と中華人民共和国とはそんなに違うのか?」と問うと、
黄奕炳は「それは、大体において同じとは言えない命題だ」と答えた。
黄奕炳によれば、中国には歴史的な中国があり、文化的な中国があり、
地理的な中国があり、政治的な中国があるという。
今回の法改正においても、黄奕炳は「現在の両岸関係は非常に特殊であり、
多くの条件と関係する背景は他の外国とあまり同じとは言えない。
もし法改正が必要であるならば、大陸地区に勉強に行く学生も外国に勉強しに行く学生の場合に
ならうようにし、関係規定を取り消せば問題はないだろう」と答えた。
黄奕炳は「台湾ビジネスマンの子供の就学問題を解決するためには、根本的な解決が必要であり、
両岸人民関係条例と学歴承認の修正に着手する必要があり、その後兵役問題を扱うべきだ。
さもなければ、さらに多くの後遺症や問題を発生することになるだろう」と述べた。
(12/11 12:00)
★ ソースは、聯合報 [台湾] (一次ソースは、中央通訊社 [台湾] )とか。
URLリンク(udn.com) (中国語・繁体字)
★ 訳註。
(*1) 中国大陸での学歴は、今の台湾では正規の学歴として認められていないため、
後述の法律の条文(兵役法施行法第48条第2項)がすぐには適用されない、というもの。