08/12/03 20:38:25
青森県が2005―07年、青森―ソウル線の維持や増便を狙い、運航会社や韓国政府の幹部らに
県の報償費でブランデーなどを贈っていたことが2日、分かった。清酒や焼酎を大量に買い込み、
企業誘致の手土産として配っていた実態が明らかになっており、公費を使って“潤滑油”として
贈り物をばらまくような青森県の旧態依然とした姿勢に批判が出ている。
県新幹線・交通政策課などによると、贈ったのは県産リンゴを用いたブランデー10本を含め、
県の代表的工芸品「津軽塗」の皿や名刺入れ、ホタテやリンゴを使った菓子計33個(14万
8700円相当)。
ブランデーは県と韓国関係者が青森市内で利用促進の会議を開いた際、大韓航空の幹部ら10人に
「土産」として贈呈。津軽塗などは韓国に出向くなどした際、同社幹部のほか韓国外交通商部
幹部らに同じ趣旨で渡していた。
県新幹線・交通政策課は「路線の維持や時間を取ってもらったことへのお礼。県産品のPRでも
ある」と強調。「大都市は航空会社との付き合いを気にせずやれるだろうが、地方は環境が違う。
キーマンや力のある人たちとのコネクションを固め、その人を通じて交渉することも大切だ」
と説明している。
一方、大韓航空は「あくまで一般論」と断った上で「物をもらったからといって就航を判断する
ことはない。まず韓国、日本双方から需要があるかで、ほかに就航する空港がある中で機材繰りが
つくかどうかもある」(広報担当者)と語る。
公共の施策を展開するのに、税金で物を贈って円滑な交渉を期待する手法には批判が少なくない。
弘前大の大坪正一教授(教育社会学)は「感覚的にやっているだけで、意味は考えていないの
だろう」と指摘。「もうそんな時代ではない。旧態依然とした慣習を続けることが恥ずかしい、
と気付いてない。根底に『贈り物は必要だ』という文化があるとしか思えない」と非難する。
東北最多の国際定期便が就航する仙台空港を抱える宮城県は「報償費は土産に充てられないので、
贈り物はしていない。空港の中や交通アクセス、足を延ばせる観光地の説明をする方が大切だ」
(空港臨空地域課)と話している。
青森―ソウル線はこれまで週4往復運航されてきたが、円高・ウォン安の影響で韓国人利用者が
減少。11月末から週1往復が休止している。
ソースは
URLリンク(www.kahoku.co.jp)