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祇園の元芸妓が妓生研究 宴席もてなし 日韓文化比較
京都市・祇園の元芸妓(げいこ)で、現在は華道家や「祇園文化の案内人」として講演活動などを
続けている桐木千寿さん(57)が29日、九州大大橋キャンパス(福岡市南区)である日本比較文化
学会で研究発表する。テーマは「祇園芸妓と韓国妓生(キーセン)-もてなしの日韓比較文化論」。
同じ花柳界に身を置いた女性として両者の歴史をひもとき、見えてきた共通点と違いを紹介する。
●華道家・桐木さん、学会で発表へ 歴史ひもとき違いまとめ
15歳で舞妓(まいこ)「豊千代」として祇園に入り、36歳で引退した後も華道、茶道、鼓、京舞と芸道
に精進してきた桐木さん。“研究者”となるきっかけは、芸妓時代の35年前にさかのぼる。
お客さんと旅した韓国・ソウルの宴席で、美しいチマ・チョゴリを着た妓生の女性たちと接した。
帰国後に、妓生は古く高麗時代(918-1392)に始まり、かつては歌舞芸能だけでなく、漢詩や書
など高い教養で貴族を楽しませたことを知った。宮廷で女医を務めたり、政治や外交の場でも重用
され、16世紀には黄真伊(ファンジニ)という女性詩人も活躍。だが変転する時代に翻弄(ほんろう)
され、その姿を変えていった。
日韓の違いに関心を持った桐木さんは、5年ほど前から文献を取り寄せて本格的に調べ始めた。
6月に京都大で祇園文化の講演をした際には、学会員の丸橋良雄同大教授から協力を得ることに。
丸橋教授の教え子で釜山大に勤める研究者から助言を受けながら、歴史だけでなく、芸妓と過去には
妓生にもあった養成学校に違いがあったことなど、比較論をまとめた。
桐木さんは「元芸妓が学会で発表するのは初めてだそうですが、励ましていただきお引き受けしました。
発表が、かつての妓生の豊かな文化の見直しにつながれば」と話している。
29日の学会では16の研究発表があり、桐木さんの発表は午後5時すぎから5号館で。
聴講するには、当日会員として1000円が必要。
ソース:西日本新聞夕刊 2008年11月22日
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