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「 ならず者国家が横行する世界 」
『週刊新潮』’07年12月13日号
日本ルネッサンス 第292回
今年出版された『対北朝鮮・中国機密ファイル』(欧陽善著・富坂聰編、文藝春秋)は、
北朝鮮、中朝関係、韓国、さらにはアジアのなかの日本への、彼らの見方を理解する
うえで極めて役に立った。
『機密ファイル』は文字どおり、中国政府中枢部の握る機密情報を書いたものだ。
中国共産党の現役官僚を中心とする複数の官僚が「欧陽善」というペンネームで書いた
のが同書である。
中国の朝鮮民族に対する思いは、北に対するそれと南に対するそれとでは本質的に
異なる。「なぜか韓国に対しては嫌悪感と軽蔑の感情」が先立つというのだ。92年に
中韓国交が樹立され、両国関係は改善されたにもかかわらず、中国人の心は韓国から
離れていくと、次のように書かれている。
「韓国人に対しては、最初こそ強い親しみを抱くが、その国を知れば知るほど嫌悪感に
変わっていく」と。
同書で分析される日本及び、日本人像も興味深い。たとえば、韓国人に対するのとは
対照的に、中国人は当初は日本人に「非常に悪い印象を持つ」が、日本に少し滞在すると、
印象は「だんだん良いイメージに変わり、ついには感服へと変化する」というのだ。
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