08/11/20 21:08:18 ZQ6aBNh6
「高裁判決は、強制連行など国の不法行為責任を認めた」に疑問を持った人たちへ
これは、民事裁判なので、裁判所が行う事実認定は両当事者が主張する範囲で
決定されます。裁判所が独自調査を行うことはありません。
原告は「強制連行された」など不法行為があったと主張します。これに対して、
被告である会社や日本政府は、「強制連行」をしたとかしなかったとかの事実
に関する主張はしません。主張をしない理由は２つあって、一つは、事実認定
がどうなろうと、最終的には日韓請求権協定があるので裁判で負けることが
ないということが明らかであるため、もう一つは、「いや、原告に対して強制
連行はしなかった、実際はこれこれこういう状況であった」と主張したいと
思っても、６０年も前のことであり、そういう主張をする具体的資料がないの
です。
その結果どうなるかというと、裁判所は判決において事実認定は原告の言うがま
んまにするよりほかにしようがないのです。
だから、「強制連行があった」と高裁が事実認定をしたとしても、それは、訴訟
という技術的な仕組みの結果「その訴訟において」だけ認定されるものであって、
歴史的、学問的な事実として認定されたということにはなりません。
とは言っても、判決で「強制連行があった」という、歴史的には非常に疑問のある
ことが事実認定されることは愉快なことではありません。原告側からすれば、この
事実認定を受けただけでも大きな収穫ではあるのでしょう。
さしあたり訴訟手続きの限界から仕方のないことでありますが、そうならないよう
な工夫を被告側（日本政府）としても何か考えてほしいところです。