08/11/06 23:49:11
>>1のつづき
団体の見学者に求められると、龍植さんは演壇に立つ。話はマンガンの知識だけでなく、丹波での採掘の
歴史、在日コリアンへの差別問題にまで広がる。折間をおいて水を口に含みながら
「ここまで言うと『お前は日本人、嫌いやろ』と言う人が多いですが、どこにいようと差別されんと、人生を
過ごす権利があるはず」と自然に語気は強くなる。
杉木立に囲まれた谷あいの坑口から、見学コースに足を踏み入れ、1日で3~4センチ掘るのがやっとだった
という時代に思いをはせた。龍植さんは閉館後、安全確保のため坑道をふさぐつもりだ。
「管理をやめれば自然の重みで坑道の落盤は止められない」という。強制連行の歴史も、貞鎬さんたち
一家の苦労も一緒に埋もれてしまうのだろうか--。
せめて記録に残したいと思うが、残された時間はあまりに短い。
以上