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秋の褒章受章者が3日付で発令される。県内からは人命救助に尽力した人に贈られる紅綬褒章に
2人、社会奉仕活動に贈られる緑綬褒章に1団体、業務に精励した人に贈られる黄綬褒章に7人、
公的な仕事などに尽力した人に贈られる藍綬褒章に11人が輝いた。
この中で、旋盤工として五輪で使用される砲丸づくりを手掛け、黄綬を受章する辻谷政久さん
(75)=富士見市=に喜びの声を聞いた。 (山口哲人)
◆世界一の砲丸生み出す 黄綬・旋盤工 辻谷 政久さん(75)
「受章で仕事が増えるわけでもなく何も変わらない。でも今までもらった賞の中で一番です」と、
職人らしく喜びを表現した。
アトランタ、シドニー、アテネ五輪と三大会連続で、辻谷さんの丹精した砲丸を使った選手が
表彰台を独占した。世界一の砲丸を生み出す旋盤加工の技術や後進の育成に対する貢献が
評価された。
砲丸投げは、砲丸の重心が一ミリずれるだけで一-二メートルも飛距離が落ちる競技という。
砲丸は数種類の鋼材が配合され比重も異なり、数値制御(NC)旋盤で完全な球体にしても重心は
合わない。「ど真ん中」に持ってくるのは至難の業だ。
辻谷さんも重心に悪戦苦闘した。一九八五年、砲丸の重量の国際規格が厳しくなり製造業者が次々
に撤退する中、辻谷さんは「職人は一度引き受けた仕事を『無理だった』と断ることはできない」
とあきらめなかった。
失敗に失敗を重ねるうちにいつしかコツをつかんだ。砲丸を削っている時に手に伝わってくる感触
などで重心を探り、寸分違(たが)わず最適な位置に持ってこられるようになった。
だが、世界のトップアスリートから愛される辻谷さんの砲丸も、北京五輪では放物線を描くことは
なかった。日本の模造品が横行する中国に抗議する意味を込め、砲丸の提供を固辞したのだ。
「逆にそれが評価されて今回の受章につながったのだと思う」
四年後のロンドン五輪については「体力が持てばの話ですが、要望があれば出したい」と目を
輝かせた。(※他の褒章受章者は省略、リンク先でご覧下さい)
ソース:東京新聞 2008年11月2日
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)
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関連スレ:【北京五輪】 世界一砲丸作り職人、砲丸提供せず~「中国に五輪やる資格ない」「こんな国に大事なものを送るわけには行かない」[03/25]
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