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モルガン・スタンレー「回復した新興国通貨は売れ」
10月31日
(ブルームバーグ)-「新興国の通貨の回復は一時的であり、投資家は回復したら売ってさらなる通貨安に
ついて策を講するべきある。」とモルガン・スタンレーの通貨研究のトップのスティーブン・ジェンは
語った。
「世界の中央銀行による流動性促進、および通貨スワップ制度での金利下落は世界的景気後退を避ける
ためには十分でないかもしれません」とジェンは昨日の報告書で述べました。日本以外の最も活発な10個
のアジア通貨のうち7が今週ドルに対して強くなりました。韓国ウォンは11.3%も盛り返しました。MSCI
アジア太平洋指数は7.5パーセント上昇し先週の損失のほとんどを帳消しにしました。
ジェンは「我々は新興国通貨が非常に心配です。」と彼のレポートに書きました。「世界が深刻な不況
に陥ったら、世界基準が新興国の基準を圧倒し続け、新興国市場には容赦ないでしょう。」と
「地元企業の間でドルが不足し、新興国への資本流入の低下し、投資家の経済成長への見通しの「見直し」
はさらに弱い通貨に追いやるだろう」と彼は述べた。
過去1ヶ月に、アイスランド、ハンガリー、ベラルーシ、パキスタン、およびウクライナは財政援助のため
に国際通貨基金に働きかけました。 また、今週のメキシコ、シンガポール、韓国、およびブラジルが十分
なドルの流動性を確実にするように、米国連邦準備制度理事会は1200億ドルまでの通貨スワップ制度を発表
しました。 米国、中国、香港、および台湾の中央銀行は今週、基準金利を下げました。
限界時の支援
「IMFの最新制度と連邦政府のスワップ枠は、選択された新興国通貨の限界での支援を提供しますが、新興国
通貨を今以上に押し下げる世界的不況の圧力を相殺するのには力不足でしょう」とジェンは語った。
彼は「ほとんどの国には多額の外貨準備高を持っていて、IMFプログラムとFRBのスワップ枠は「(通貨)
ゲームの切換器(game changers)」でないと言いました。
「皮肉なのは、狙わられる国の多くはまさしくその外貨準備高が既に持ち合わせているということです」と
ジェンは書きました。「問題なのは、多くの準備高があるのに、なぜ彼らは通貨の下落に抵抗することをでき
ないのかという点です。」
「IMFプログラムがめったに通貨の転換のシグナルにはならない」とも注記しました。
1997-98のアジア通貨危機の際、韓国・タイ・インドネシアおよびフィリピンがIMFに駆け込むとそれらの通貨
に対して売り賭けました。ファンドの国外逃亡の引き金になり、もう少しでそれらの国の外貨準備を食い尽くす
ところでした。
ジェンは通貨予測は提供しませんでした。
URLリンク(www.bloomberg.com)