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<京城、写真にはまる>イ・ギョンミン著｜サンチェク社｜272ページ｜1万4000ウォン
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写真はその時代を一番正直に照らす鏡だ。その中に納められた風景や人物の多くの話まで黙黙と代弁する。
そんな点で写真は歴史の明暗を視覚言語で表現した一篇の散文と同時に詩でもある。特に褪せた昔の写真一枚
が伝える '時間'の意味は貴い。
<京城、写真にはまる>は開港以後、日帝強制占領期の韓国近代文化史を共感覚的に再構成した本だ。社会文化
批評誌である季刊「黄海文化」に 3年間連載された「近代写真文化の風景」をまとめたもの。著者はイ・ギョ
ンミン写真アーカイブ研究所代表。彼が見せてくれる 100余年前の私たちの姿は今と似ているところも多い。
ハルピン駅で伊藤博文を狙い撃ちした安重根義士の写真が当時の日本で飛ぶように売れた、という話はこのこ
ろＴシャツと記念品に刻まれたチェ・ゲバラを思い浮かばせる。初めは警戒心をもたせるために犯罪者の写真
はがきとして製作されたが、日帝の意図とは異なり、あまりにもよく売れた。
政界の大物、伊藤博文を殺した安重根が日本では「伊藤の暗殺者」、朝鮮では「忠臣」として、それぞれ時代の
アイコンになったのだ。切羽詰った日帝は早々に販売を禁止した。安義士の写真はアメリカとロシアでも販売
された。
ハワイ韓人永住渡航の歴史がこめられた「写真結婚」話もおもしろい。農村の独身者が東南アジア女性の写真
と身上明細だけ見てつばをつけて結婚すると決めたのも、このごろの国際結婚と似ている。「金持ちと結婚でき
る」と言う口車にだまされて、ハワイに行ってから酷い苦労を耐えきれずに帰って来る女性もかなり多数だっ
た、という話は息苦しい。
西大門刑務所に閉じこめられた満海（マンヘ、号）韓龍雲（ハン・ヨンウン）先生と柳寛順（ユ・ガンスン）。
烈士の受刑記録写真、朝鮮最初の航空写真、京城最初の写真館、洋式コートとなめし革手袋で飾ったキーセン
の姿、「盗撮」を利用して風呂場で女性たちの裸を取ろうとしたが、つかまった青年 6人の猟奇事件、死ぬ前
日に写真館で写真を撮って自殺した妊娠 3ヶ月の女性の話まで近代韓国の社会像が弱弱しく開かれる。
当時としては破格のポルノ写真広告、ベストセラーを記録した不法複製エロ写真、ポルノ写真と書籍に耽った
女学校教師などやや苦かったり、おかしかったその時代の端面が 21世紀韓国の現住所にオーバラップされる。
コ・ドゥヒョン記者
ソース：韓国経済(韓国語) 安重根写真が日本で火片乱事情傾性,写真にはまって
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