08/10/28 07:33:59
韓国ウォンの下落が止まらない。今回の米国発の金融危機の中で、ウォンは他のアジア通貨に先行して下落してきたが、底値が
一向に見えない。背景には先進国と新興国の2つの顔を併せ持つ韓国の「準先進国経済」の特性がありそうだ。
24日のウォンの対ドル相場は1ドル=1424ウォンで、下落率は昨年10月末の高値1ドル=900ウォンから4割弱。今回の下落局面を
振り返ると、ウォンは2段階で急落していることが分かる。
最初は米国で金融危機が顕在化した3月。米投資家が米株などの損失を埋めようと、韓国株を売ってドルに戻す動きが発端となった。
韓国の総合株価指数(KOSPI)は昨年秋までの1年間で5割上昇して2000を突破した。韓国は日本以外のアジアでは先進国並みに
流動性が豊富。利益も乗っており、換金売りにはうってつけだった。
その後、1ドル=1000~1100ウォンのボックス圏が続いたが、底が抜け落ちたのは米リーマン・ブラザーズの経営危機説が浮上した
9月以降。危機の深刻化で欧米投資家による韓国からの資金引き揚げが加速した。ドル資金の調達コストが跳ね上がったことが、
巨額の対外債務を抱える新興国としての顔を浮かび上がらせたからだ。
韓国の短期対外債務は約1700億ドルに上り、1997年の通貨危機時の2倍以上に膨らんでいる。欧米と肩を並べる国際優良企業を
多く抱える反面、対外債務の面では新興国の色合いも強く残している。このうち約800億ドルは来年6月末までに償還を迎える国内銀行分だ。
借り換えが難航すると、融資絞り込みや貸出金利上昇につながる。企業や家計など実体経済を一段と冷え込ませる恐れがあり、株安を
あおる要因になっている。
危機の連鎖を遮断しようと、韓国政府は19日に国内銀行の外貨借り入れに総額1000億ドルの債務保証を付与する対策を決定した。
金融市場に450億ドルのドル資金を供給し、経営難に陥った建設業には9兆ウォン規模の救済策も用意した。韓国銀行(中央銀行)は
今月初旬に続く追加利下げも示唆している。
だが「根本原因は海外だから国内でどんな対策を打っても効果は乏しい」(財閥系シンクタンク)との見方も少なくない。ウォン安は
どこまで続くのか。市場関係者も底値を見極め切れないが、「心理的な節目の1ドル=1500ウォンを割り込んだら、パニックになるかも
しれない」(大手銀行の為替ディーラー)との見方だけは共通している。
ソース(日経ヴェリタス、10/26、55面)
前スレッド
★2 スレリンク(news4plus板)
★1 スレリンク(news4plus板)